研究課題/領域番号 |
22K03190
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
林 明明 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (90726556)
|
研究分担者 |
宮本 健太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (20778047)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | メタ認知 / アレキシサイミア / 精神健康 / fMRI / 感情 / 神経基盤 |
研究開始時の研究の概要 |
研究ではストレス状況下でも精神健康を維持増進するために,感情体験のリアルタイムの内省的活動を測定し社会的メタ認知の神経基盤を同定する。質問紙の開発、行動実験による測定によって感情体験の社会的メタ認知の心理的機能を解明する。機能的磁気共鳴機能画像法(fMRI)による神経活動測定によって神経基盤の解明を行い、精神健康への作用するモデルを構築する。
|
研究実績の概要 |
令和4年度では、まずは既存の尺度を用いて感情体験と精神健康、およびメタ認知との関連を検討した。自身の感情を言葉で示すことや身体感覚から区別したりすることが困難であるアレキシサイミア傾向を測定するToronto Alexithymia Scale-20(TAS-20)(小牧他, 2003)を使用した。実験参加者は29人(女性15人、年齢平均24.6歳、年齢範囲20-38歳)であった。動くドット群の運動方向の弁別もしくは外的な報酬確率から選択することによってメタ認知を測定するPC課題、および質問紙の回答を求めた。参加者が一人で回答する課題や、他者の回答が呈示される課題など複数の課題が実施された。TAS-20の下位尺度のうち同定困難(DIF)、伝達困難(DDF)および総得点は主観的幸福感を測定するSubjective Happiness Scale(SHS)(鳥井他, 2004)と有意な負の相関があり、伝達困難は精神健康の悪さを測定するK6/K10 (古川他, 2002)と有意な正の相関が認められ、アレキシサイミア傾向が高いほど精神健康が低下することが示された。また、他者の回答が呈示されるメタ認知課題においてのみ、メタ認知指標はTAS-20の同定困難下位尺度および総得点と正の相関を示した。参加者が一人で回答するメタ認知課題では有意な関連はなかった。他者の存在の有無によってメタ認知能力とアレキシサイミア傾向の関連が異なることは、本研究で目的とする他者からの被影響性を取り入れた社会的メタ認知と感情体験の関連へ繋がる可能性を示しており、今後は感情を含めた多種のメタ認知課題を実施しさらなる検討を進めたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
尺度を用いて感情体験とメタ認知との関連を検討した。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度では新たに感情のメタ認知に関する尺度を作成し、精神健康との関連を検討する。fMRIによるメタ認知課題中の脳活動を測定し感情体験およびメタ認知の活動部位を特定する。さらに安静時脳活動を測定し、感情および精神健康による影響を調べる。
|