研究課題/領域番号 |
22K03215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
渡辺 茂 慶應義塾大学, 文学部(三田), 名誉教授 (30051907)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ウナギ / 脳の比較 / 空間学習 / 水流学習 / 脳 / 魚類 / 比較認知科学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では1)大規模回遊を行う種(日本ウナギ)、空間的テリトリーを持つ種(アナゴ)、及び移所行動が少ない種(チンアナゴ)で空間認知を比較することによりその進化基盤を明らかする。なおアナゴ、チナアナゴはいずれもウナギ目に属する。2)空間学習を他の学習(視覚学習、水流学習)と比較することにより、それぞれの認知の特異性を見出し、さらに3)各魚種での脳の定量的比較を行うとともに、大脳損傷法により、課題特殊性のある脳部位を同定する。
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研究実績の概要 |
1)ニホンウナギを4本のパイプがある円形プールで訓練した。ウナギはこのうち1本のパイプに入ることができるが、他の3本には入ることができない。入ることのできるパイプの横には小型スクリュウが設置され、その位置はランダムに変えられる。およそ15試行で学習ができた。パイプとスクリュウの位置をずらすとその距離に依存して正答率が低下した。スクリュウの羽を外すと弁別ができなくなった。一方、スクリュウの代わりに小型水中ポンプを設置した場合には弁別を維持できた。側線の有毛細胞を傷害するために飼育水槽にストレプトマイシンを投与すると弁別はできなくなった。これらの結果は1)ニホンウナギが水流を手がかりとする空間学習ができること、2)その弁別は側線器官経由の感覚を用いていること、を示す。 2)脳の背面及び側面画像の面積から算出する新しい脳サイズの指標を考案した。ニホンウナギとマハゼからこの指標を計算し、脳重と比較したところどちらの種でも高い相関を得ることができた。本指標を元に、脳プロフィールを調べると、ウナギは相対的に大きな嗅球と大脳を持ち、ハゼは大きな視蓋を持つことがわかった。また、主成分分析を行うと2種が異なるクラスターを形成することがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)ウナギの行動実験についてはほぼ予定通りに進行しているが、他の魚種については実験系が確立していない。 2)脳計測については新たな指標を作成し、その検討を行なった。 3)脳損傷法については改良の余地がある。
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今後の研究の推進方策 |
1)ウナギ行動実験については順調に進んでいるが、他種については実験系が確立していないので、まず他種の行動実験系の確立を目指す。 2)脳損傷については空気圧による神経毒の注入を行なったが、結果が安定せず、今後電気泳動での注入を試みる。 3)他種の脳比較については、アナゴ、チンアナゴの脳計測(研究実績の概要2)参照)及び顕微観察を行う。
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