研究課題/領域番号 |
22K03222
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
上山 健太 弘前大学, 教育学部, 准教授 (30746409)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非可換超曲面 / AS-Gorenstein代数 / Cohen-Macaulay加群の安定圏 / 三角圏 / 傾理論 |
研究開始時の研究の概要 |
三角圏の構造を考察する際の有効な手段の一つとして,傾理論が盛んに研究されている.特に,与えられた三角圏に傾対象が存在するか否かは傾理論の重要な問題であり,様々な方向から研究がなされている.本研究では,非可換代数幾何学の主要な研究対象であるArtin-Schelter Gorenstein代数(略してAS-Gorenstein代数)に注目し,AS-Gorenstein代数から構成される三角圏を考察する.特に,次数付き極大Cohen-Macaulay加群の安定圏や非可換射影スキームの有界導来圏に傾対象が存在するのはいつかという問題の解明に取り組み,傾理論の更なる深化を目指す.
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研究実績の概要 |
今年度は以下の研究に取り組んだ. (1) (±1)歪した(A_∞)型2次超曲面上の極大Cohen-Macaulay加群の安定圏という三角圏の計算方法を与えた.もう少し正確に言うと,(±1)歪した(A_∞)型2次超曲面上の極大Cohen-Macaulay加群の安定圏がどのような有限次元代数上の有限次元加群圏の有界導来圏と三角圏同値になるかについて明確に理解する方法を示した.その帰結として,全ての(±1)歪した(A_∞)型2次超曲面は加算無限Cohen-Macaulay表現型であり,非可換次数付き孤立特異点でないことが証明された.得られた結果は論文としてまとめられており,査読付き雑誌C. R. Math. Acad. Sci. Parisから出版された.今回の研究では,Koszul双対や局所化を駆使して得られる三角圏同値を用いたのだが,傾理論な観点から同様の結果が得られるかという問題は興味深い今後の課題である. (2)東京大学の伊山修氏,大阪公立大学の木村雄太氏と共同で,1次元Artin-Schelter Gorenstein代数(AS-Gorenstein代数)の傾理論についての研究を進めた.大筋の方向性が固まってきたという状況である. (3) テネシー工科大学のPadmini Veerapen氏,UCLAのPablo S.Ocal氏と非可換代数のtwistについて議論を行い,サーベイ論文を執筆した.このサーベイは査読付き雑誌に投稿中である.また,ウェイク・フォレスト大学のFrank Moore氏と非可換不変式論に関する共同研究を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非可換2次曲面や1次元AS-Gorenstein代数上の極大Cohen-Macaulay加群についての研究が順調に進展しており,AS-Gorenstein代数そのものについての研究も前進している.これよりおおむね順調に進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
現在進行中の共同研究がいくつかあるので引き続きそれらに取り組み,場合によっては一層発展させることで,AS-Gorenstein代数やAS-Gorenstein代数に付随する三角圏についての新しい知識を蓄積する予定である.
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