研究課題/領域番号 |
22K03227
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大久保 俊 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 講師 (20755160)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | p進微分方程式 / 対数的増大度 / ピカールフックス方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
一般に代数体上の代数多様体のよい族Eに対し, ピカールフックス方程式Hf=0が対応する. Eのあたえられた幾何学的性質Pに対し, それに対応したHf=0の解析的性質P'が存在すると期待できる. 本研究では, この文脈において, PとしてEのt=t_0での法pでの還元としたとき, P'としてt=t_0のまわりでの局所解のp進対数的増大度が対応することを, Eとして楕円曲線のルジャンドル族などをとって示すことである.
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研究実績の概要 |
本年度は、p進微分方程式のsingularityとgeneric radii of convergenceとの関係を研究した。具体的には、以下の問題を考察した。混標数(0,p)を持つrationalなcomplete nonarchimedean differential field Fが与えられたとき、F上の``有界な''開円板上``regular singular''なfinite differential module Mを考える。もう少し具体的に書くと、Mは適当な非アルキメデス環R上finite freeであり、log derivationの作用をもつものである。Mに対し、MをRを適切な付値で完備化したものに関し係数拡大することにより、Kedlayaの定義した、subsudiary generic radii of convergenceという不変量をとることにより、あるpolygonをえることができる。これは、都築、松田の結果により、このpolygonのslopeは、Mがregular singularityであるという事実を反映して、適当な評価ができると期待される。本年度は、twisted polynomialのlog variant、および、subsudiary generic radii of convergenceのlog variantを構成し、logなしとlog variantとの比較をし、slopeの評価を具体的に与えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終目標は、p進微分方程式の大域整数論への応用である。p進微分方程式自体がまだ未解明のことが多いため、p進微分方程式自体の理解を深める必要がある段階である。今年度は、そのp進微分方程式自体の研究を推進できたため、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終目標は、Legendre familyをはじめとする``よい''代数多様体の族Xに対し、付随するPicard Fuchs moduleを考え、``局所化''してえられるp進微分方程式を調べることで、Xのファイバーの大域的性質を調べることである。この過程における、``局所化''の部分は、計算面が整備されていないように見えるので、都築(2003)、Kedlaya(2022)などの関連すると思われる理論を使い、Legendre familyやCalabi-Yau多様体のDwork族などの具体的な族に対して計算を行う。
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