• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

任意標数の射影幾何とその基本的代数多様体への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K03236
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分11010:代数学関連
研究機関城西大学

研究代表者

古川 勝久  城西大学, 理学部, 准教授 (40648664)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード高階Secant多様体の特異点 / Veronese多様体 / 対称テンソルの分解の階数 / 任意標数の代数多様体の射影幾何学 / 高階Secant多様体の極小次数 / 代数多様体上の直線族(パラメーター空間) / ガウス写像 / 射影双対性 / 高階secant多様体 / トーリック多様体 / 任意標数の射影幾何学
研究開始時の研究の概要

本研究では, 射影空間内の代数多様体に関して, ガウス写像や射影双対などがもたらす任意標数の射影幾何学をテーマとする. 正標数では, 一般的にはガウス写像のファイバー線型性が崩れ, 標数零と同様な繊維面の構造を持つとは限らない. こうした特有の現象のもと, 収縮写像などの概念のもとで双対性を扱って研究を進めている. ガウス写像の階数退化を引き起こすstrange性が正標数の2次超曲面の特徴づけに関連するように, 基本的な代数多様体の特徴づけに射影幾何的方法を応用することも目指している.

研究実績の概要

代数多様体の射影幾何研究として, Gauss写像・射影双対性などにもとづく幾何的手法や, flatteningなどの代数的手法を用い, Veronese多様体の高階secant多様体の特異点や定義イデアルの性質などについて研究を行った.
Veronese多様体の高階secant多様体のうちには, いくつか例外的な挙動をもつものがあるが, そうしたものを含めて, Veronese多様体の次元・次数やk-secant多様体の階数kに関する数値の範囲に適切な3分立を与え, k-secant多様体のある主の部分多様体に関する特異点の状況を分類した.
また, 例外のうちに著しく特別な性質をもつものとして, 本来の3分立に照らしあわせると特異点をもつはずが, その場合だけ非特異となるような高階secant多様体を発見し, それが del Pezzo 高階secant多様体と呼ばれるものになることも示した. この射影多様体は, 極小次数の次に小さい次数をもつという意味で, 先に述べた非特異性にも状況が合致し, 非常に興味深い研究対象である. その調査を進める上では, 高階secant多様体の定義イデアルに見通しのよい記述を与えることが重要となった. そのため計算機代数システムを利用した組み合わせ論的な計算アルゴリズムなども考案し, 様々な分析を重ねることで, 対象となる多様体の定義イデアルを生成する式の一部が 10 x 10 の歪対称行列のPfaffianや, 対称群の作用により, うまく記述できることなどがわかってきた.
こうした調査の一方で, 今年度の後半からは国際研究集会を開催するなどして, 海外を含めた研究者を招いての交流を進められ, アイデアや情報の交換なども活発かつ円滑に行なえた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

Veronese多様体の高階secant多様体の特異点に関する3分立を完成させるうえで, secant退化や対称テンソルとしてみたときのnon-identifiabilityのような特殊な場合に対処する必要があったが, それぞれの状況を注意深く調査し, 時には従来の手法を精密化することで, 目的を達成させられた.
また, 3分立の完成によって, 先にも述べたような例外として del Pezzo 高階secant多様体となる場合を発見できたことは大きな収穫だった. また, これは斉次環の定義イデアルの minimal free resolution が Arithmetic Gorenstein となるような余次元 4 の射影多様体となるのだが, その分野では余次元 3 までは研究が進んでいる一方, 余次元 4 以上ではまだ研究は多くなく, そのような例が自然に現れたという点でも貴重といえる. こうした多様体は, 余次元 3 では定義式を記述する理論的な方法が知られている一方で, 今回は余次元 4 であるため既存の方法は確立されておらず, 計算機代数システムの利用を含め様々な方向から手探りし, その結果 Pfaffian や対称群の作用による記述に到達して構造を明らかにできた. このことは, 今後の研究を進展させる上での足がかりとなるものと期待される.

今後の研究の推進方策

例外として得られた del Pezzo 高階secant多様体の記述については, 超曲面(余次元1)となるような場合の先行研究から Schur module などによるヤング図形を利用した表現論的な記述がなされることが期待される. これまでに得られた定義イデアルの記述をさらに分析し, 今回のような余次元4の場合について, 表現論的な記述ができないか探って行くことを計画している.
また, 今回はVeronese埋込みについて高階secant多様体の特異点の研究を行ったが, Segre埋込みやグラスマン多様体, また他の等質多様体などについても, これまでに得られた成果を応用しながら, あるいは研究手法を発展させ, 調査を進めて行きたいと考えている. 別のグループでは点のヒルベルト・スキームを用いた研究なども進みつつあるようなので, そうした方向の手法についても学び, 取り入れることも検討している.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] Dimension of the space of conics on a Fano hypersurface2022

    • 著者名/発表者名
      Furukawa Katsuhisa
    • 雑誌名

      Journal of Pure and Applied Algebra

      巻: 226 号: 6 ページ: 106970-106970

    • DOI

      10.1016/j.jpaa.2021.106970

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Veronese多様体の高階secant多様体または対称テンソル空間の特異点と定義方程式系2024

    • 著者名/発表者名
      古川 勝久
    • 学会等名
      第29回沼津改め静岡研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Singular loci and equations of higher secant varieties of Veronese embeddings2023

    • 著者名/発表者名
      古川 勝久
    • 学会等名
      Niigata Algebra Symposium
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Veronese多様体の高階secant多様体の特異点について2023

    • 著者名/発表者名
      古川 勝久
    • 学会等名
      研究集会「代数幾何学とその周辺の話題」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会・シンポジウム開催] 晴ればれ岡山 代数幾何学シンポジウム (Okayama Algebraic Geometry Symposium)2024

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi