研究課題/領域番号 |
22K03237
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
原 隆 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (40722608)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | p 進 L 関数 / CM体 / アルティン L 関数 / ランキン-セルバーグ p 進 L 関数 / クンマー-マニン合同式 / 局所同変玉河数予想 / 高階オイラー系 / ダヴェンポート-ハッセ関係式 / L 関数の特殊値 / ホイッタッカー周期 / Davenport-Hasse の関係式 / Gel'fand-Tsetlin 基底 / 局所 ε 因子 / p進L関数 / 保型表現 / 高階代数群 / 臨界値 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,高階代数群の保型表現に対する p 進 L 関数が次々と構成されるなど,保型表現論が p 進 L 関数の構成に応用されるようになってきた.本研究では,保型表現論 (特に保型 L 関数の理論) を駆使して,様々な p 進 L 関数を“精密な形で”構成することを目指す.具体的には (1) 一般線形群にまつわる保型表現の p 進 L 関数の構成および精密化 (2) CM 体の非可換 p 進 L 関数の補間公式の定式化および構成 の2つの課題の達成を目標として研究を進める.
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研究実績の概要 |
2023年度は主に (a) CM体の p 進アルティン L 関数の構成 (東京工業大学 落合 理教授との共同研究) (b) GL(3) × GL(2) のランキン-セルバーグ p 進 L 関数の構成 (東京電機大学 並川 健一准教授との共同研究) (c) p で絶対不分岐な非可換CM拡大に対する高階オイラー系の構成 (日本学術振興会特別研究員 (PD) 熱田 真大氏との共同研究) の3つの研究を遂行した.(a) は昨年度からの継続研究課題であるが,局所 ε 因子の張り合わせの際に必要とされる,切断ヴィット環上のガウス和に関するダヴェンポート-ハッセ関係式を完全に証明し,結果としてp進L関数の補間公式の貼り合わせを完成させることができた.細部の検証もほぼ完了しており、2024年度中の論文完成・投稿を目指して作業を進めているところである.(b) では,GL(3) × GL(2) のランキン-セルバーグ L 関数の代数性に関する並川氏との先行研究の結果を用いて,Coates, Perrin-Riou の定式化と整合的な GL(3) × GL(2) のランキン-セルバーグp進L関数の構成を行った (Fabien Januszewski の結果の精密化に当たる).こちらも計算結果の検証が大方終了し,論文の執筆に取り掛かる段階まで到達している.(c) について,熱田氏と臺信直人氏,片岡武典氏の共同研究において,Deligne-Ribet の p 進 L 関数から明示的に高階オイラー系が構成されているが,熱田氏と共同で3氏の結果を非可換拡大に拡張することを試みた.こちらの研究についても,非可換岩澤手予想の証明の手法を用いて拡張できるのではないかという見通しが立っており、2024年度に継続して研究を進める予定である.なお、2022年度に行った宮﨑直,並川健一両氏との共同研究を論文にまとめ投稿した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
継続研究であった (a) も2024年度には論文完成・投稿となる見込みであることに加え,2023年度より本格的に着手した (b), (c) についてもある程度見通しが立った状態にまで漕ぎ着けることができた.個々の研究課題についてはまだ多少課題などが見られるものの,研究については全体的に見ると当初の計画以上に進展していると判断される.
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今後の研究の推進方策 |
(a) については,論文の執筆に注力し早期の論文完成および投稿を目指す.(b) についても,論文の執筆を進めつつ細部の検証,調整を行い,2024年度中の論文完成・投稿を目指す.また,構成した p 進 L 関数の応用を模索する.(c) については,総実代数体の非可換岩澤主予想の証明を振り返った上で,主予想証明の手法を適用して非可換係数の高階オイラー系が構成できないか検証を続ける.その上で,CM体での非可換岩澤主予想の定式化および証明についての研究にも着手していきたい.
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