研究課題/領域番号 |
22K03249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
有家 雄介 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (50583770)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 頂点作用素代数 / モジュラー微分方程式 / モジュラーロンスキアン / モジュラー形式 |
研究開始時の研究の概要 |
頂点作用素代数の指標はモジュラー微分方程式と呼ばれる特別な微分方程式を満たす.本研究では,モジュラー微分方程式の解としてその指標が現れるような頂点作用素代数に関する研究を行う.具体的には,微分方程式の階数を固定したときその解を指標に持つような頂点作用素代数を分類することを目的とする研究を行う.特に,より高い階数の微分方程式や,解が対数項を保つ場合も含めた問題を取り扱う.また,ある頂点作用素代数の指標の多項式として解が表示されるようなモジュラー微分方程式の特徴付けに関する研究を行う.
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研究実績の概要 |
今年度は,頂点作用素代数の指標の満たすモジュラー微分方程式に関する研究を行った.前年度に取り扱ったモジュラーロンスキアンについてより詳細に研究を進めた.今年度の主な成果としては,指標がべき級数とは限らない場合,すなわち,対数項をもつ場合に対しても,モジュラーロンスキアンはべき級数となり,Masonにより証明されていたモジュラーロンスキアンをデデキントのエータ関数とモジュラー形式の積として表す公式が成り立つことを証明した.さらに,モジュラーロンスキアンが消えることと指標があるモニックなモジュラー微分方程式の解になることが同値となる,というMasonの定理を指標がべき級数とは限らない場合に拡張することを目指す研究を行った.しかしながら,指標に対数項が現れることから,モジュラーロンスキアンのべき級数展開の最低べきを決定することが困難になるため,Masonの証明をそのまま適用することができないことが明らかになった.現在のところ,対数項の次数がある程度大きい場合にのみ証明を与えることができたが,それ以外の場合については現在研究を進めている途中である.
また,頂点作用素超代数の指標についても,そのモジュラーロンスキアンに関する研究を行い,通所の代数の場合と同様に,指標が対数項を持つ状況でも,モジュラーロンスキアンの表示に関する結果を証明することができた.こちらの場合に関しても,ロンスキアンと微分方程式の解との関係に関する予想を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始時点では想定していなかった指標が対数項を持つ場合にもこれまでの手法が適用できることが明らかになりつつあり,当初の予定を超えて研究を進めることができることが期待されるため.
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今後の研究の推進方策 |
前年度までで解決できなかった,モジュラーロンスキアンとモジュラー微分方程式の関係についての問題を解決するための研究を行い,さらに階数を固定した微分方程式の解とヴィラソロ代数の指標の関係についての考察を進める.
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