研究課題/領域番号 |
22K03255
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
野田 工 日本大学, 工学部, 教授 (10350034)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Riemannゼータ関数 / 母関数 / オイラーの定数 / 調和級数 / 保型形式 / Poincare級数 |
研究開始時の研究の概要 |
I.保型形式,特に正則・非正則尖点形式に含有されるDirichlet級数を抽出し, Bromwich積分を経由した積分表示を与え,解析接続,関数関係式,特殊値などの基本性質とRiemannゼータ関数等の母関数表示を導く。さらに多重Poincare級数の構成と諸性質の解明を目指す。 II.尖点形式に由来するゼータ関数を,超幾何関数類を係数にもつ場合に拡張し,一般化されたSelbergクラスの非線形twist元の具体例を与える。積分表示,関数関係式を用いてゼータ母関数群とVoronoi型和公式の新しい構成方法・解釈を提示する。
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研究実績の概要 |
本研究においては,尖点形式に由来する数論的母関数の構成が目的である。申請者はHankel路積分表示を持つゼータ母関数をこれまで研究開発してきた。尖点形式に由来するゼータ関数は, 合流型超幾何関数を係数にもつ場合等も含めてRiemannゼータ関数等の母関数表示を自然に持つことが観察されている。我々は尖点形式の多重化や一般Poincare級数などの具体的な積分表示・変換公式等の導出を目標とする。 前年度の研究実績であるモジュラー群上の正則Poincare級数に由来・含有されるゼータ関数は,指数型Riemannゼータ関数の母関数の一般の場合となっている。令和5年度は,このようなゼータ母関数に対して新しい方向性の母関数を定義した。これはDirichlet級数型のRiemannゼータ母関数であり,私たちはHankel路積分表示,解析接続, 関数関係式, 特殊値等を導出しつつある。 Dirichlet級数型ゼータ母関数は,歴史的にGoldbachおよびEulerの調和級数の研究にその源がある。Eulerの調和級数の研究からはEulerの定数が定義される。Eulerの定数についてはその一般化も含めてさまざまな研究がなされてきているが,現時点では無理数性も未解決である。本研究からはEulerの定数の一つの自然な一般化が得られる。また,Dirichlet級数型Riemannゼータ母関数の研究として,本研究の主題の一つである積分表示から従う変換公式が,本質的にLerch transcendentの関数等式であることがわかる。関数関係式からは非自明な無限級数の表示式が導出される。これらの結果により,本研究対象であるDirichlet級数型Riemannゼータ母関数が重要なゼータ関数であることを明らかにしつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モジュラー群上の正則Poincare級数に関係するゼータ母関数の研究同様に,非正則Poincare級数に含有される指数型ゼータ母関数の研究を進めた。しかしながら変換式が複雑になるため既存のFourier級数展開式とは別表示の形となっていて,直接の同値関係が得られていない。このため非正則の場合についてはさらなる検討が必要と考えられるため,最終的な結論には到達していない。以上の理由により,尖点形式の多重化には着手することが出来ていない。
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今後の研究の推進方策 |
非正則Poincare級数に含有される指数型ゼータ母関数の研究を進めつつ,別のゼータ母関数をも研究対象として進めていきたい。具体的にはDirichlet級数型の母関数や一般超幾何関数の場合への拡張を検討したい。
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