研究課題/領域番号 |
22K03271
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
寺井 伸浩 大分大学, 理工学部, 教授 (00236978)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Ramanujan-Nagell方程式 / 一般化された Fermat 方程式 / 指数型不定方程式 / Jesmanowicz予想 / Baker理論 |
研究開始時の研究の概要 |
不定方程式は数学の中では幾何学と同様古代ギリシャ時代以来の長い歴史を持つ. 本研究では, 指数型不定方程式 a^x+b^y=c^z, x^2+b^m=c^n, a^x+b^y=z^2 の解の個数, 解の大きさ, 解の決定についてそれぞれ研究する. そのために, 次の4つの深い結果・方法を用いる: (i) 一般化された Ramanujan-Nagell 方程式 x^2+D^m=p^n, x^2±2^m=y^n (ii) 一般化されたFermat 方程式 X^n+2^aY^n=Z^2, X^2+Y^m=Z^4, X^2+Y^4=Z^n (iii) Lucas 数のprimitive divisor に関するBilu-Hanrot-Voutierの定理 (iv) Laurentによる2つの対数の1次形式の下からの評価(: Baker理論)
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研究実績の概要 |
a,b,c をピタゴラス数, つまり, a^2 + b^2 = c^2 を満たす正の整数とする. このとき, 不定方程式 a^x+b^y=c^z はただ一つの正の整数解 (x,y,z)=(2,2,2) をもつという, 有名なJesmanowicz予想が知られている. この予想の類似として, 一般化されたRamanujan-Nagell方程式 x^2 + b^m = c^n (GRN) が自明な解以外の解(x,m,n) を持つかどうかを考える. (GRN)は, bが奇数の場合はただ一つの正の整数解, bが偶数の場合はある特別な条件を満たす場合を除けばちょうど二つの正の整数解をもつことが予想される. bが奇数の場合は研究代表者が Acta Arith.(1993年)の論文において, いろいろな場合に正しいことを示し, 他の研究者もこれ以降多くの場合に正しいことを確認した. bが偶数の場合はBaker理論等を用いて予想が正しいことをいくつかの条件の下で示し, 2つの論文Publicationes Math. Debrecen 101(2022), Bull. Math. Soc. Sci. Math. Roumanie 65(2022)を出版できた. これらの話題は「一般化されたRamanujan-Nagell方程式 x^2 + b^m=c^n について」という題目で第14回福岡数論研究集会(於 九州大学伊都キャンパス; 2022年8月20日)において講演した.
第2回大分数論研究集会(於ホルトホール大分サテライトキャンパス;2023年1月28日-2023年1月29日)を代表世話人として主催した. 不定方程式論, 多重ゼーター関数, 代数的整数論, 解析的整数論に関する素晴らしい講演が行われ, 若い大学院生を含めて多くの出席者があった. 各講演について活発な質疑応答があり, 整数論の研究者と有意義な意見交換ができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
u,vをu>v,互いに素で反対の偶奇性をも正の整数とする. このとき, 次の予想を考える: (I) 3u^2-8uv+3v^2 ≠ -1ならば, 一般化された Ramanujan-Nagell 方程式x^2+(2uv)^m=(u^2+v^2)^n (R) は正の整数解 (x,m,n)=(u-v,1,1),(u^2-v^2, 2,2)だけをもつ. ただし, (u,v)=(244,231) の場合を除く; (II) 3u^2-8uv+3v^2 = -1ならば, 不定方程式(R)は正の整数解 (x,m,n)=(u-v,1,1),(u^2-v^2,2,2),((u-v)(2u2+2v2+1),1,3)だけをもつ. Pell方程式の理論, 一般化されたFermat方程式の深い結果,Baker理論等を用いて,u, v が (i) u^2+v^2 は素数冪, (ii) u^2+v^2=w^2+1,(iii) u =p,p^2, v=2 (pは奇素数)の各場合にこの予想が成り立つことを示すことができた.
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今後の研究の推進方策 |
一般化された Ramanujan-Nagell 方程式x^2+(2uv)^m=(u^2+v^2)^n は,3u^2-8uv+3v^2 = -1ならば,3つの正の整数解 (x,m,n)=(u-v,1,1),(u^2-v^2,2,2),((u-v)(2u^2+2v^2+1),1,3)だけをもつ, という予想をPublicationes Math. Debrecen 101(2022)において提起した. いま数列{A_k}を A_{k+2}=16A_{k+1}-A_{k},A_0=1,A_1=17で定義する.この予想は, A=A_kのときのみ, 不定方程式 x^2 + (3A^2+1)^m=(4A^2+1)^n は3つの正の整数解(x,m,n)=(A,1,1),(8A^3+3A,1,3), (√(7A^2+2),2,2)だけをもつ, という予想に帰着される. 隣接3項間の線形数列{A_k}に関するこの予想が成り立つことを, 2次体・Pell方程式・Baker理論等を用いていろいろな場合に示したい.
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