研究課題/領域番号 |
22K03281
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小野 肇 筑波大学, 数理物質系, 教授 (70467033)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | アインシュタイン-調和方程式 / 物質場付きアインシュタイン方程式 / ケーラー多様体 / 佐々木多様体 |
研究開始時の研究の概要 |
曲面は2次元の広がりを持つ図形であるが、曲面の概念をより高い次元に一般化したものが多様体である。多様体はゴムでできたボールのように、様々な形を持つことができるが、「最もきれいな形」となりうるかは幾何学のみならず、物理学、宇宙論においても大変重要な問題である。本研究では、「最もきれいな形」を与える方程式として、物質場付きアインシュタイン方程式をとりあげ、いつその解が存在するのか、また存在した時どのような幾何学的性質が成り立つのかを研究する。
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研究実績の概要 |
アインシュタイン方程式は幾何学、および物理学(重力理論)において最も重要な偏微分方程式の一つである。微分幾何学において主に扱われるアインシュタイン方程式は物質場を伴わないものであるが、重力理論においては物質場を考えることが極めて自然である。本研究は物質場付きのアインシュタイン方程式の解の存在問題、および、その幾何学的性質を、ケーラー多様体や佐々木多様体の複素幾何的情報を基に解明することを目的とする。
昨年度は複素偶数次元のスカラー曲率一定ケーラー多様体上にはアインシュタイン-調和方程式の解が存在することを示した(この結果は本年度現在投稿中)。本年度は高次の曲率不変量を含む変形重力理論として知られる「Lovelock 重力理論」をケーラー幾何の視点から検討した。その結果、物質場がない場合には、清華大学の二木昭人氏により以前導入された「摂動スカラー曲率一定ケーラー計量」がアインシュタイン-Lovelock 計量に深く関係することを発見した。さらに、それらを物質場付きで考えた方程式の解の非自明な具体例がないか探求した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では、本年度はケーラー幾何および佐々木幾何を用いて物質場付きのアインシュタイン方程式の解をできるだけ多く構成することを計画していた。そのような例の新たな構成はできなかったが、アインシュタイン方程式の高次の曲率不変量を含む一般化であるアインシュタイン-Lovelock 計量をケーラー幾何の視点から考察することの重要性を発見することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次の3つの方針で研究を進める予定である。 1. 引き続きケーラー幾何を用いてアインシュタイン-調和方程式の解を与えることができるか調査する。 2. Lovelock 重力理論をケーラー幾何および佐々木幾何を通して眺めることにより、複素幾何的に新たな知見が得られるか調べる。また、物質場付きの方程式についても考察する。 3. 計量だけではなく、スカラー場も含む「Horndeski 重力理論」については数学者にあまり知られていない。また、5次元以上の場合、分類は未解決である。そこで、5次元以上のHorndeski理論を数学的に解決する。
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