研究課題/領域番号 |
22K03283
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
山口 耕平 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 名誉教授 (00175655)
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研究分担者 |
Guest Martin 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10295470)
大野 真裕 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (70277820)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ホモトピー型 / ホモトピー安定性 / 2次超曲面 / トーリック多様体 / 正則写像 / 集結式 / 射影空間 / ベクトル束 / 多項式 / nef ベクトル束 / Chern 類 / トポロジー / 終結式 / homotopy theory / toric variety / holomorphic map / algebraic map / resultant |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、位相空間Mが、2次元多様体(複素1次元多様体(リーマン面))で、像空間Xがトーリック多様体の場合の写像空間 Map(M,X)を、主に取り扱うことにする。このような場合には、より小さな有限次元部分空間(Xが複素構造を持つ場合には、MからXへの正則写像のなす空間や、あるいは、Xが実代数的多様体の場合には、写像が多項式で表示される代数的写像のなす空間など)でホモトピー型を近似できる。この有限次元分空間でホモトピー型がどの程度の次元まで近似できるかを調べる研究(Atiyah-Jones-Segal予想の問題)を行う。
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研究実績の概要 |
(1)複素トーリック多様体X上の次数 D=(d_1,d_2,....,d_r) の有理曲線全体のなす空間 Hol_D(S^2,X)の一般化として、重複度n未満のnon-resultant system(集結式が0にならないシステム)のなす空間 Poly^{D,Σ}_n(F) が、体Fとトーリック多様体Xが定める扇(fan)Σに対して定義される。この空間は、n=1でDがある条件を満たす場合には、リーマン球S^2からトーリック多様体Xへの有理曲線のなす空間と一致する。この空間のホモトピー型を体Fが複素数体Cの場合に考察した。特に、そのホモトピー型を解析して、雑誌「Topology and its Applications」に投稿し、その後受理された。 (2)上記(1)の問題をトーリック多様体Xが、(m-1)次元複素射影空間の場合に考察した。この空間は、体Fが複素数体Cの場合にはワルシャワ大学のA. Kozlowski教授との以前の共同研究により、そのホモトピー型はよく調べられている。そこで、本年度は、体Fが実数体Rの場合に、この空間のホモトピー型を研究した。この場合に、Atiyah-Jones-Segal型のホモトピー安定性が成りたつことを, mn>3の場合に証明できた。mn=3の場合にも、ホモロジー安定性が成立することは証明できた。これらの結果の論文を作成し雑誌に投稿した。 (3)標数0の代数閉体F上の2次超曲面(cubic hypersurface)をbase空間に持つネフなベクトル束(nef vector bundle)の第1チャーン類(the first Chern class)が小さい場合の分類問題を主に研究した。とくに、第1チャーン類が2の場合にはその分類ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) 本年度中に1本の論文と1本の講義録が出版された。また1本の論文(preprint)を作成し投稿した。 (2)さらに、1本の論文(preprint)が近く新たに作成できる予定で現在執筆中である。 以上の理由により、おおむね研究は順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 研究実績(2)で述べた空間Poly^{d,m}_n(R)は、mn=3の場合にホモロジー安定性は証明できたが、ホモトピー安定性が成り立つかどうかはまだ(m,n)=(1,3)の場合には証明されていない(ただし、(m,n)=3,1)の場合にはホモトピー安定性が成り立つことが最近証明できた)。この問題を解明することが今後の第1の目標である。 (2) 研究実績(1)の実類似の空間Q^{D,\Sigma}_n(F)が、体Fが複素数体Cまたは実数体Rに対して定義できる。この空間のホモトピー型の研究を実施することが第2の研究推進目的である。
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