研究開始時の研究の概要 |
本研究課題の研究代表者は, あるテンソル量に着目し, それを用いて, 写像の conformality を測ることができるエネルギーを定義して, その停留写像は C-stationary map と名付けられた. また, その研究過程で現れた「計量の pullback の L^2-ノルム」についての変分問題から symphonic map と呼ばれる停留写像が定義された. 後者の写像は, 調和写像とも関連性がある. これらの2つの新しい概念についての研究を行う. これらの研究は全く新しい観点に基づくものであり, オリジナルな研究である.
|
研究実績の概要 |
model spaces 間の rotationally symmetric な C-stationary map と symphonic map について研究を進めた. model spaces が4次元の場合, rotationally symmetric な写像に対して, C-stationary map であることと conformal map であることが同値であることを証明した. これは, C-stationary map という概念が, 変分問題からの conformal map へのアプローチになっていることの一つの根拠を示している. また, 4次元の場合は, C-stationary map のエネルギーと symphonic map のエネルギーは, 4-エネルギー(写像の微分の L^4-エネルギー)になっているが, 4次元の場合は, 4-エネルギーは conformal invariant であるので, model spaces が4次元の場合, rotationally symmetric な写像に対して, symphonic map であることと conformal map であることが同値であることも確かめられた. また, conformal invariant という点に着目して, 一般の m 次元の場合に m-symphonic energy (symphonic energy の L^m-version)の条件のもとで, gap theorem と Liouville type theorem を導いた.
|