研究課題/領域番号 |
22K03296
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
金沢 篤 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 准教授 (40784492)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ミラー対称性 / Calabi-Yau多様体 / K3曲面 / 一般化Calabi-Yau構造 / BCOV理論 / 周期積分 / 非可換幾何 / モジュライ空間 / Brauer群 / 共形場理論 / 保型形式 / tt*-幾何 / アトラクター機構 |
研究開始時の研究の概要 |
3つの互いに関係した課題を研究する: 課題(1): Hitchinによって導入された一般化Calabi-Yau幾何の立場からミラー対称性の理解の深化を目指す. 特に剛Kahler構造との関係を調べる. 課題(2): Calabi-Yau多様体の複素・Kahlerモジュライ空間の基礎理論の構築を試みる. 正則アノマリーといったCalabi-Yau多様体特有の現象も考察する. 課題(3): Fano多様体の反標準因子の有効分解(退化)とミラーLandau-Ginzburg模型の超ポテンシャルの分解の関係を調べることで, 異なる次元のミラー対称性の関係を明らかにする.
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研究実績の概要 |
一般化Calabi-Yau幾何とミラー対称性の関係を調べてきた. 2次元の場合, つまり一般化K3曲面に関してはプレプリントarXiv:2108.05197によってほぼ満足のいく基礎理論が完成しているが, 個々の興味深い問題が残されている. 例えば, 塩田-猪瀬の定理「複素剛K3曲面の同型類と階数2正定値格子の同型類が一対一に対応する」のシンプレクティック類似が予想される. 特に今年度は向井格子に2つ偏極を課した一般化K3曲面のモジュライ空間に関して, 古典的な格子編曲K3曲面の場合と比較しながら, Torelli型の定理を援用してその構造を調べた. この2つ偏極は複素・Kahler構造の一般化に関する制約とも考えられ, ミラー対称性の観点からもそのモジュライ空間の構造解明は重要な問題である. また一般化Calabi-Yauと非可換幾何の関係に関する問題についても考察した. このような2次元の場合の詳細な解析と並行して, 最も重要だと考えられる3次元の場合にも取り組んできた. 3次元では量子補正のために構造が複雑化するが, (古典的)一般化CY構造の量子変形とKahler剛性の問題を中心に考察を行なった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一般化Calabi-Yau幾何の研究は, 計画していた方向の研究が予想以上に難しく, 結果を纏めることができなかったが, 格子偏極K3曲面のBCOV理論に関する細野忍氏との共著論文は専門誌に掲載が決まったため.
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今後の研究の推進方策 |
一般化Calabi-Yau幾何の研究とミラー対称性の2次元の場合の研究の高次元化に関しては, 具体例の蓄積を第一目標としたい. また完全交差型Calabi-Yau多様体の素性の良い一般化が物理学者によって見つかっており, その周辺に関する新たな研究課題にも取り組みたい.
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