研究課題/領域番号 |
22K03308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
本多 宣博 東京工業大学, 理学院, 教授 (60311809)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ミニツイスター空間 / Einstein-Weyl空間 / Zoll多様体 / 超楕円曲線 / Einstein-Weyl多様体 / 有理曲線 / 測地線 / ミニツイスター直線 |
研究開始時の研究の概要 |
Penrose対応とは、時空の曲がり具合を、複素数を用いた幾何学により記述しようとするものであり、この半世紀で着実に成果をあげてきた。Penrose対応の一種として、3次元時空を2次元の複素幾何学的対象で記述するものがあったが、10年ほど前まではこの対応が機能する対象はごく小数しかなかった。本研究では、2次元の複素幾何学的対象を大量に与えることにより、3次元時空に関する理解を深める。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、コンパクトミニツイスター空間から得られる3次元不定値Einstein-Weyl空間について考察した。まずミニツイスター空間の種数が1の場合に、昨年度までの研究を発展させて、これらのEinstein-Weyl空間がdeSitter空間とは同型ではないことを示した。また、得られたEinstein-Weyl空間は1次元の族をなすが、それの極限としてdeSitter空間が生じるかどうかを考察した。これらは福島大学の中田文憲氏との共同研究である。また、この研究の自然な拡張として、種数が一般のコンパクトミニツイスター空間から定まる不定値Einstein-Weyl空間の性質を調べ、その空間的測地線がすべて閉じていることを証明した。種数1の場合と違って、この場合は一般種数の超楕円曲線のヤコビ多様体が証明の際に主要な役割を果たす。 これらの研究とは別に、ベッチ数b_1とb_2が消えていて、かつオイラー標数が消えていない3次元コンパクト複素多様体は、複素曲面(特異点をもつことを許す)への全射正則写像を持たないことを証明した。この結果は6次元球面と同相な複素多様体やS^3の直積の連結和として得られる複素多様体に対して適用される。これはUC IrvineのJeff Viaclovskyとの共同研究である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では、ミニツイスター空間から得られるEinstein-Weyl空間がZoll性をもつことはまったく期待していなかったが、考察の結果、Zoll性を満たすEinstein-Weyl空間の例が大量に見つかったため。また、b_1とb_2が消えている3次元コンパクト複素多様体に関する結果は、そもそも得られると考えていなったものであったため。
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今後の研究の推進方策 |
一般種数のコンパクトミニツイスター空間から得られるEinstein-Weyl空間は族として得られているが、この族に属するものたちが互いに同型でないことを示す。また、これらの族の極限として、種数が1つ落ちたコンパクトミニツイスター空間から得られるEinstein-Weyl空間が生じることを示す。これら2つの課題は種数1の場合に現在進行中の研究の自然な一般化として得られることを想定している。
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