研究課題/領域番号 |
22K03313
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
小林 毅 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (00186751)
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研究分担者 |
村井 紘子 奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (40456843)
張 娟姫 奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (90708348)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | Heegaard分解 / 橋分解 / 位相的データ解析 / 応用トポロジー / 折り紙 / 三次元多様体 / 結び目・絡み目 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請では次の2つの観点から低次元トポロジーに関係した研究を行う. 観点1.「大域的構造のなす空間」という視点から「三次元多様体」, 「結び目・絡み目の橋分解」, 「平面曲線の同値類」, 「幾何構造を利用した折り紙の構成」, 「絡み目の橋分解の同値性」, 「Heegaard分解の距離」に関係した研究を推し進めこれらの分野の発展をはかる. 観点2.低次元トポロジーの研究に機械学習の観点を取り入れるとともに, 観点1.の研究を 通して得られた新しい知見等を用いて位相的データ解析等に新しい研究のフレームワークの 提案, それに沿った研究を推し進める事により応用トポロジーの発展に寄与する.
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研究実績の概要 |
本研究は二つの観点を持っている. それぞれについて実績の概要を述べる. 観点1では「大域的構造のなす空間」という視点から三次元多様体, 結び目・絡み目等に関係した研究を推し進める, としているがこれに関して三次元多様体内の絡み目の(strongly)keen bridge 分解と呼ばれる概念を定義し, そのような bridge splittingが豊富に存在することを証明した. また3次元球面内の結び目・絡み目に関しては, 橋分解と呼ばれる概念には二つの解釈が存在することを注意しそれらを, bridge splitting と bridge decomposition と呼称しその違いを調べる研究を実施した. これはこの分野の研究の進展にとって重要な事実の指摘になっていると考える. また waterbomb tube と呼ばれる剛体折り紙の剛体変形について研究を行い対称性の仮定の下でcylinder solutionが存在するための必要十分条件を考察した.基本形を横に並べる個数をnとすると,「cylinder solutionが存在する」為の必要十分条件は「nが5以上」であることを明らかにしたが, これはwaterbomb tubeの興味深い変形が実現できることを明らかにしたものである. 観点2では機械学習の研究にトポロジーの観点を取り入れ データ解析等に新しい研究のフレームワークを提案し応用トポロジーの発展に寄与する,としているが, 対話のテキスト文からその感情の動きを組み紐として可視化する方法について研究を行なった. また, Gabrielsson-Carlsson による畳み込み層の中のフィルターの集合に適切な距離を入れその距離のもと, その層に含まれるフィルター全体の形に関する研究について情報を収集したがこれは観点2の研究を進めるために有益であると考える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は二つの観点を持っている. それぞれについて実績の概要を述べる. 観点1では, 小林, 張は3次元多様体のkeen Heegaard splitting に対応する概念として, 3次元多様体内の絡み目の(strongly)keen bridge 分解を定義し, そのような bridge splittingが豊富に存在することを井戸絢子氏との共同研究で証明した. この結果について現在論文を作成中で, ほぼ想定通りに研究は進展している. また小林, 張は3次元球面内の結び目・絡み目の橋分解の同値性に関しては, 高尾和人氏, 小沢誠氏との共同研究で所謂橋分解と呼ばれる概念には二つの解釈が存在することを注意しそれらを, bridge splitting と bridge decomposition と呼称しその違いを明らかにする研究を実施したが, 現在その結果を公開するために論文を作成中である. これは当初想定した通りの研究が進んでいると評価している. 村井はwaterbomb tubeの剛体変形に関し, 対称性の仮定の下で , 「cylinder solutionが存在する」為の必要十分条件は「nが5以上」であることを明らかにした. これに関しては当初想定した通りの研究が進んでいると評価している. 視点2の観点から, 小林は対話テキストから感情の動きを組み紐として可視化する手法について大学院生と共同で研究した. さらに, Gabrielsson-Carlssonの, 順伝播型ニューラルネットワークの畳み込み層について位相幾何学的手法を適用する研究に関する情報を収集したが, この手法は視点2の研究の進展に有益だと認められた. この事実については当初想定した通りの研究が進んでいると評価している.
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今後の研究の推進方策 |
小林と張はkeen Heegaard splittingに加え, keen bridge splittingに関する研究を通して, 曲線複体内のHempel距離を実現する測地線に対する理解が深まった. この研究で用いた手法は今後weakly keenなHeegaard splittingに関する研究に役に立つと考えているのでこの方向で研究を推し進めていく予定である. また現在行っているbridge splitting と bridge decompositionという2種類の橋分解に関する研究に関して, 例えば現在2成分以上の絡み目に関して知られているが, 結び目(1成分の絡み目)についてはまだ解っていない事実がある等まだ考察すべき課題が多数存在するので, 引き続きこれに取り組みたい. また村井は具体的な折り紙パターンについて,その剛体変形による変形空間を解析した.特にwaterbomb tubeの剛体変形に関し, 対称性の仮定の下で cylinder solutionが存在する為の必要十分条件を与えたが, ここで対称性の条件を外した場合はどうなるのかなどの問題が考えられるのでそれについて取り組みたい. またflatな折り紙構造の空間の全体の研究にはまだ至っていないので, この研究にも取り組む予定である. 視点2の観点については, 対話テキストから感情の動きを組み紐として可視化する手法の研究をさらに推し進める. Gabrielsson-Carlsson の順伝播型ニューラルネットワークの畳み込み層についての位相幾何学的手法を拡張する方向で研究を進めるとともに, 実際に動作するプログラムにまで落とし込みたいと考えている.
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