研究課題/領域番号 |
22K03328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小林 政晴 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (30516480)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | Gabor解析 / モジュレーション空間 / 作用関数 / 関数空間論 |
研究開始時の研究の概要 |
「Gabor解析」とは、ホログラフィーの研究でノーベル物理学賞を受賞したD. Gabor氏が1946年に発表した論文の中で用いた「Gauss 関数の平行移動と変調により生成される関数系を用いて、Fourier 級数展開のようにR上の関数を展開する」というアイデアから発展した研究分野である。本研究では、Gabor解析における重要な研究テーマであり、これまで互いに影響を及ぼしあいながら発展してきた「Modulation空間」と「Gabor系の線形独立性問題」を研究する。
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研究実績の概要 |
今年度は「様々な関数空間における作用関数の特徴づけ」すなわち「ある種の滑らかさを持つ関数の集まり(関数空間とよぶ)をその性質を変えることなく、再び同じ滑らかさを持つ関数の集まりに移すような関数または変換(作用関数とよぶ)は何か?」について研究した。作用関数の特徴づけは非線形偏微分方程式の研究において重要な役割を果たすことが知られている。これまで、研究代表者は佐藤圓治名誉教授(山形大学)との共同研究において「モジュレーション空間 M^{p,1}における作用関数の特徴づけ」、「トーラス上の関数でそのフーリエ係数が重み付き数列空間 l^s_q に属するような関数の集まり A^q_s(T) における作用関数の特徴づけ」および「フーリエ・ルベーグ空間における作用関数の特徴づけ」を行ってきたが、これまで得られた研究成果を基に今年度は「モジュレーション空間における作用関数の特徴づけ」について更に研究を行った。ここで、モジュレーション空間 M^{p,q}_s とは、短時間フーリエ変換がある種の可積分性と減衰度をもつようなユークリッド空間上の関数の集まりであり、p=q=2 の場合はよく知られるソボレフ空間 H^s と一致する関数空間の一つである。モジュレーション空間の作用関数の特徴づけについては、 Reich - Sickel(2016)や Kato - Sugimoto - Tomita(2020)で様々な十分条件が研究されているが、まだ完全に解決していない。今年度はモジュレーション空間 M^{p,q}_sにおける作用関数の特徴づけについて考察した。結果として、モジュレーション空間上の作用関数の特徴づけにおいて重要な役割を果たすと思われる必要条件と十分条件を見つけた(佐藤名誉教授との共同研究)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終的な目標は「モジュレーション空間上での作用関数の特徴づけ」であるが、その第一歩として「関数空間A^1_β(T)の枠組みでのモジュレーション空間上の作用関数を特徴づけ」に成功した。この結果は、学術雑誌「Journal of Pseudo-Differential Operators and Applications 」に掲載済みである。今回の研究の副産物として、以前から多くの研究者に注目されていた「関数空間A^q_s(T)とモジュレーション空間 M^{p,q}_s 」との関連性についても、作用関数の枠組みではあるが、明らかに出来た。
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今後の研究の推進方策 |
今回の得られた成果は、指数qやsに制限がついているが、更に研究を発展させることで、「関数空間A^1_β(T)の枠組みでのモジュレーション空間上の作用関数を特徴づけ」の完全版や「関数空間A^1_β(T)の枠組み以外での、モジュレーション空間上の作用関数の特徴づけ」の解決に役に立つことが期待できる。2023年度はこの課題に取り組む。この他に2023年度はモジュレーション空間やフーリエ・ルベーグ空間におけるスペクトル合成集合についての研究も行う。
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