研究課題/領域番号 |
22K03329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
江居 宏美 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (60333051)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | フラクタル / 複素連分数展開 / ベータ展開 / substitution / タイル張り |
研究開始時の研究の概要 |
既存の研究により、ベータ展開や複素連分数展開を用いた数論的手法により、境界がフラクタルである図形を構成できることが分かっている。本研究は、 次の2点を主軸とする。一つ目は、あるクラスの3次Pisot数を基数とするベータ展開によるフラクタル図形を、文字の置換規則(substitution)を用いたArnoux-伊藤の手法を拡張して構成する。2つ目は、ガウス数体上の複素連分数展開より決まるフラクタル図形について、その境界を具体的に記述する方法を開発する。これらの結果を融合し、構成されたフラクタルの境界を解析し、フラクタル次元や連結性といった幾何学的性質を解析する。
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研究実績の概要 |
本研究では、ベータ展開や複素連分数展開といった数論的手法により決まるフラクタル図形の境界を具体的に記述する方法を開発し、境界を解析することによりフラクタル次元や連結性といった幾何学的性質を調べることを研究目的としている。本目的を達成するために、当該年度に取り組んだ研究における主な実績は以下の通りである。 (1)Hurwitz の nearest integer 型複素連分数展開によるフラクタル図形の境界の解析 Hurwitz の nearest integer 型複素連分数展開により得られた3つのフラクタル図形の境界上の substitution ルール(集合方程式)を決定するために、それらをプロトタイルとするタイル張りを利用し、境界の自己相似性を調べることにより、その候補になるものを挙げた。これらのsubstitution ルールに対してコンピュータ実験を行ったところ、実際のフラクタル図形の境界に近い曲線が得られることが分かった。また、研究協力者(仲田均氏(慶応大)、夏井利恵氏(日本女子大))と進めている複素連分数展開に関する基礎研究において、Lakein による複素連分数展開についても、Hurwitz 型の場合と同様にフラクタル図形とタイル張りが得られることが明らかになった。 (2)Pisot 数を基数とするベータ展開によるフラクタル図形とタイル張りの構成 3 次 Pisot ユニットを固有値として持つ3次正方行列を選び、これらの行列を4つの場合に分類した。そのうち3つの場合について substitution(文字の置換規則)を決定し、Arnoux-伊藤の手法を拡張して Rauzy フラクタルとタイル張りを構成することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の研究計画書に挙げていた、当該年度のコンピュータ実験による解析については、おおむね順調に進展している。また、研究協力者と対面での研究討論を重ね、本研究課題に関連する基礎研究において進展があった。 以上のように、研究に関してはおおむね順調に進展したが、新型コロナウィルスの影響で国内外の出張に制約があったため、研究集会に出席し研究成果を発表することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
Hurwitz の複素連分数展開によるフラクタル図形については、当該年度に行ったコンピュータ実験をもとにフラクタル図形の境界を構成するための substitution ルールを決定する。Pisot 数を基数とするベータ展開によるフラクタル図形とタイル張りの構成については、当該年度に得た3次 Pisot ユニットに関する4つの場合のうち残された1つの場合についてsubstitution を決定し、Arnoux-伊藤の手法を拡張してフラクタル図形とタイル張りを構成する。 当該年度は新型コロナウィルスの影響で国内外の出張に制約があった。次年度は、国内外の研究集会にて研究成果の発信、情報交換、また関連分野の研究者との研究討論を積極的に行い、本研究を進展させる。
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