研究課題/領域番号 |
22K03339
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
福山 克司 神戸大学, 理学研究科, 教授 (60218956)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 一様分布論 / 差異量 / 重複大数の法則 / 間隙級数論 |
研究開始時の研究の概要 |
数列の小数部分の散らばり具合の解析の理論である一様分布論は、乱数や数値解析の基礎理論として応用も広い。一様分布論の測度的理論は、等差数列のようなエントロピーの小さい変換から生成されるのものについては整数論やエルゴード論の手法による研究が大きく成果をあげている。 本研究では等比数列のようなエントロピーの大きい変換に由来するものについて、確率論的手法を用いて経験分布過程の極限定理として一様分布論を取り扱う。Fourier 解析に現れる間隙級数論の手法をも用いて最近ようやくその全貌を表しつつある古典列の一様分布論の測度的理論の解析的研究を引き続き推進する。
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研究実績の概要 |
等比数列の差異量と星差異量の漸近挙動の測度論的研究を行っている。これらは 2log(log n) の平方根で割って上極限を取るとほとんどすべての初期値に対してそれぞれ定数に等しいことが示されている。これら定数は差異量と星差異量の漸近挙動を与えるものであり公比にどのような形で依存するかを知ることは重要である。公比が有理冪根ではない場合にはこれら定数は1/2に等しい。そうでない場合は公比の冪が有理数となるものの中で最小冪のものを取り p/q と整数 p と自然数 q の既約分数で表すとする。 p/q が正の場合には、差異量についての定数と星差異量についての定数は等しく、p と q がともに奇数の場合と、そうでない場合で p/q が大きい場合に表現公式が得られており、その成立限界もほぼわかっている。 p/q が負の場合に、差異量に関する定数に関しては同様のことが示されているが、星差異量に関する定数に関しては p あるいは q が偶数である場合と p が奇数で q=1 である場合に表現公式が得られているが、それ以外については不明であった。 今回、p と q がともに奇数である場合についても、 |p/q| が大きければ表現公式が得られる感触を得たので、それについて研究を進めている。その証明のためには複雑な場合分けが必要となり、現在それらについて各個撃破しているところであるが、まだ全貌の把握には至っておらず、証明の完成にはまだまだ時間がかかりそうである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概要に示した証明が予想外に複雑な場合分けを要しており、研究が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
まずは概要に示した証明を完成し、そのうえで包括的な取扱いにより簡潔かつ本質的な理解に基づく証明に整理することを目指す。
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