研究課題/領域番号 |
22K03340
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
富崎 松代 奈良女子大学, その他部局等, 名誉教授 (50093977)
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研究分担者 |
上村 稔大 関西大学, システム理工学部, 教授 (30285332)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 均質化問題 / 拡散過程 / 非局所型ディリクレ形式 / 尺度変換 |
研究開始時の研究の概要 |
ジャンプを伴う拡散過程の均質化問題について考察する。均質化問題は、解析学の分野において、unfolding 法等の視点から研究が行われてきた。一方、確率論の分野においても、均質化問題は拡散過程等を対象に確率過程列の弱収束の立場から研究が行われてきた。双方の研究は、ディリクレ形式の均質化問題としてとらえることができるが、ジャンプを伴う拡散過程を対象とする場合、ディリクレ形式の表現で言えば局所型・非局所型が混在する場合、極限の様相に違いが生じることがある。その違いが生じる背景を、確率過程の標本路の変数の尺度の取り方と、ディリクレ形式の拡散係数とジャンプ測度の係数の尺度の取り方の違いから解明する。
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研究実績の概要 |
Martingale 問題アプローチに関連して、1994年のT.Fujiwaraとの共著論文の内容について再検証を行った。適合するマルコフ過程の標本路の連続部分と不連続部分に対し論文とは異なる尺度変換を用いて計算を試みたが、新しい結果を得るまでには至っていない。今後も検証を続行する。 一次元拡散過程の均質化問題に対し、ディリクレ形式の収束の観点から再検討を開始した。一次元拡散過程に適合したディリクレ形式はZ.Q-Chen とFukushima (2010~2014)により得られている。本研究の今後の展開を見据えて、広義拡散過程に適合したディリクレ形式を明確にする研究を行った。Liping Liによる研究(2022年8月国際研究集会講演)の内容は本研究と重なる部分があると判断し検証を行い、境界条件の取り扱いが異なることを確認した。 一次元拡散過程の直積について均質化問題を取り扱うこととしているが、斜積についても均質化問題を取り扱うことが可能かどうかという問題に興味がある。そのために、一次元拡散過程と球面ブラウン運動との斜積として表現される確率過程とその時間変更過程について、Feller性と対応するDirichlet形式について研究を行い、論文としてまとめた。 退化と発散を伴うポテンシャルをもつ多次元拡散過程について、収束の様相の検証をすすめた。容量ゼロの集合に収束する場合を含んでおり、その集合を回避して拡散運動を続ける場合と運動が分断される場合があることが判明した。これは、ポテンシャル項の測度に対応する正値連続加法的汎関数の列の収束・発散と関連している。この観点から、正値連続加法的汎関数の空間の位相について考察した。エネルギー積分有限な測度のクラスについては、適切な距離を考察することにより、完備空間としてとらえることができることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Martingale 問題アプローチに関しては、既知の結果に対して新しい尺度変換を適用してみたが新しい結果を得るまでには至っていない。しかし、一次元拡散過程の直積についての均質化問題への確率論的アプローチや、その基盤となる正値連続加法的汎関数の空間の位相についての考察は進展している。本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
Martingale 問題について、driven process とdriving processを組にして極限を考察する研究を推進する。確率過程の拡散部分とジャンプ部分という本質的に異なる運動の尺度変換の意味を、標本路の分解の視点から明らかにする。 広義拡散過程に適合したディリクレ形式を、Z.Q-Chen とFukushima (2010~2014)によるディリクレ空間のtraceとして記述し、退化した基礎測度によって記述される関数空間における均質化問題に取り組む。 正値連続加法的汎関数の空間の位相について、測度のクラスを広げて検討を進める。その検討結果を用いて、退化と発散を行うポテンシャルを伴う多次元拡散過程の収束の問題に取り組む。
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