研究課題/領域番号 |
22K03341
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
増田 俊彦 九州大学, 数理学研究院, 教授 (60314978)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 作用素環 / テンソル圏 / 群作用 / エルゴード理論 |
研究開始時の研究の概要 |
作用素環への群作用や、テンソル圏の作用素環論的なアプローチに基づく構造解析を通じて、(1) 部分因子環の構造の解析と弱ホップ環との関係、特にある種の部分因子環の分類 (2)作用素環へのテンソル圏の作用の解析とコンパクト群の作用への応用、特にコンパクト群の作用の分類への応用、(3) エルゴード理論における変換群の作用素環論的なアプローチ、特に作用素環の自己同型、群作用の分類との関係について研究を進めていく。
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研究実績の概要 |
本年度は主にIII_1型部分因子環の構造について研究を行った。一般に有限指数の部分因子環の重要な不変量としてある種のグラフがある。特に有限指数をもつIII_1型部分因子環の場合はIII型グラフとII型グラフの2種類のグラフが不変量として自然に得られる。この2つのグラフがいつ同じになるか、ということについては、泉によるモジュラー自己同型を用いた特徴付けが知られている。これからIII型グラフが有限グラフの場合は自動的にこの2種類のグラフは一致することが従うが、一致しないような例についてはこれまでのところIII_1型部分因子環が可約な例しか知られておらず、既約な例が存在するかどうかはこれまでのところ知られていない。これはテンソル圏に実数群(連続群)が非自明に作用するかどうか、という問題とも関係している。テンソル圏が特に既約な対象を有限個しかもたないようなフュージョン圏、という圏の場合、テンソル圏の対称性が有限になることは、Etingof-Gelaki-Nikshych-Ostrikのテンソル圏の本で証明されているが、私は作用素環論の立場から、この結果について研究した。そしてLongo-Rehren構成法から生じるQ-systemのある種の同値類が有限個になる、ということから同じ結論を導いた。(これは泉-幸崎による方法と類似の方法で示される。)これからII型グラフが有限であれば自動的にIII型グラフと一致することが示される。よって今後既約なIII_1型因子間で2種類のグラフが一致しないような例を研究するには既約対象が無限個であるようなテンソル圏の対称性を研究する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
だいたい予想されたような結果を実際に示すことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
既約対象が無限個であるようなC^*テンソル圏の対称性について研究していく。 作用素環的な量子群の研究が有用であるかもしれないので、それについて主に研究していく。
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