研究課題/領域番号 |
22K03342
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
相馬 輝彦 早稲田大学, 産業経営研究所, その他(招聘研究員) (50154688)
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研究分担者 |
桐木 紳 東海大学, 理学部, 教授 (50277232)
中野 雄史 東海大学, 理学部, 准教授 (50778313)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 微分同相写像 / 力学系 / Lyapunov指数 / Lyapunov非正則集合 / カオス力学系 |
研究開始時の研究の概要 |
力学系のカオス現象の指標となる Lyapunov 指数の非正則性に関する研究である.力学系の不変測度に関しては,空間内のほとんどすべての点に対し,Lyapunov 指数が定義できること,すなわち Lyapunov 正則であることが知られている.しかし,21世紀に入ってから,より実用的な測度である Lebesgue 測度に関しては,そうではないことが明らかになった.このような非正則現象が起こる原因を解明することが本研究の主題である.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,時間平均をとっても挙動が把握できないような非正則な力学系が豊富に存在することを,Lyapunov 指数を指標として明らかにすることにある.今年度は,共同研究者ある桐木紳氏(東海大学教授),中野雄史氏(東海大学准教授),本研究代表者および李曉龍氏(華中科技大学専任講師)の4名で,E. Colli と E. Vargas が2001年に発表した遊走集合をもつ2次元微分同相写像写像のモデルを改変することにより,観測可能な Lyapunov 非正則集合をもつ2次元力学系のモデルが構成できた.その論文は,「Abundance of observable Lyapunov irregular sets, Comm. Math. Phys. 391 (2022) 1241-1269」として発表した.同様の結果は,このモデルの近傍上の稠密な元である2次元力学系でも成り立つのではないかと考えている.これを今後の目標とする.さらに,中野氏,本研究代表者および山本航大氏(九州大学大学院生)の3名で,C^r (2 ≦ r < ∞) 級の区分拡大写像で,観測可能な Lyapunov 非正則集合をもつモデルを構成した.その論文は,「 Observable Lyapunov irregular sets for planar piecewise expanding maps, Discrete Conti. Dynam. Sys. 43 (2023) 2737-2755」として発表した.このモデルは,M. Tsujii が2000年に発表した論文で使用した区分拡大写像を改変したものである.さらにこの共同論文では,正方形領域を定義域とする任意の解析的区分拡大写像は,観測可能な Lyapunov 非正則集合を持たないことを証明した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
観測可能な Lyapunov 非正則集合をもつ力学系および持たない力学系の両方が構成できた.これらは,いままで知られていなかったタイプの力学系なので,評価に値すると考える.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度と同様,共同研究者と協力して年度構成したモデルを基にして,より広い範囲で,観測可能な Lyapunov 非正則集合をもつ力学系を構成する.
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