研究課題/領域番号 |
22K03349
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
應和 宏樹 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10549158)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 偏微分方程式 / 保存則方程式 / 安定性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の基本となる証明テクニックは,S. Kruzhkovによって与えられたエントロピー解の一意性に関する証明手法とC. Dafermosによって与えられた波面追跡法によるエントロピー解の存在性に関する証明手法の組み合わせである.この証明テクニックを用いて,1次元保存則方程式の初期値問題に対するエントロピー解の安定性について考察する.
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研究実績の概要 |
本年度は,まず,平衡則方程式の初期値問題に対するエントロピー解の流束関数と初期値に関する空間局所的な安定性を示した.より正確に,流束関数とソース関数が局所リプシッツ連続,初期値が有界変動関数の仮定の下で,その初期値問題のエントロピー解の流束関数と初期値に関する空間局所的な連続依存性を示した.その結果,従来必要であった「流束関数とソース関数が2階連続微分可能である」の仮定をより一般の仮定に変更することができた. 次に,保存則方程式の初期値問題の波面追跡法から構成される近似解の一意収束性を示した.より正確に,流束関数が局所リプシッツ連続,初期値がL^\infty関数の仮定の下で,その初期値問題の波面追跡法から構成される近似解が一意極限に収束することを示した.その結果,従来必要であった「初期値が有界変動関数である」の仮定をより一般の仮定に変更することができた. 上記2つの結果の拡張として,流束関数が局所リプシッツ連続,ソース関数がリプシッツ連続,初期値がL^\infty関数の仮定の下で,平衡則方程式の初期値問題に対するエントロピー解の一意可解性を示した.その結果,従来必要であった「流束関数とソース関数が十分に滑らかである」などの仮定をより一般の仮定に変更することができた. 最後に,相転移などの物理現象を記述するある不連続な流束をもつ保存則方程式の初期値問題の可解性について考察し,ある一定の成果を得ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
保存則方程式及び平衡則方程式の初期値問題に対するエントロピー解の安定性についての研究を行い,意図した研究成果を得ることができた. 当初の予定通り研究を推進できており,おおむね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,より一般の形をした平衡則方程式の初期値問題に対するエントロピー解の流束関数と初期値に関する安定性についての研究を行う予定である.また,保存則方程式の初期値問題に対するエントロピー解と波面追跡法から構成される近似解の一意極限との関係性についての研究も行う予定である.さらに,余裕があった場合は,不連続な流束をもつ保存則方程式の初期値問題の可解性についての研究も行う予定である.
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