研究課題/領域番号 |
22K03350
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
名古屋 創 金沢大学, 数物科学系, 教授 (80447367)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | Virasoro algebra / パンルヴェ方程式 / モノドロミー保存変形 / Virasoro 代数 |
研究開始時の研究の概要 |
2012 年に Gamayun, Iorgov, Lisovyy は第6パンルヴェ方程式のタウ関数が共形場理論の共形ブロックのフーリエ変換で表示されることを発見した. 本研究では, Virasoro 代数や W 代数等の無限次元代数の表現論を深化させることで, モノドロミー保存変形のタウ関数が共形ブロックのフーリエ変換で表示されることを証明する.
|
研究実績の概要 |
以前までに、super Virasoro 代数である Neveu-Schwartz-Ramond (NSR)代数のランクが同一である不確定 Verma 加群間の不確定特異点型頂点作用素の存在、一意性および、NSR 代数の不確定 Verma 加群と自由フェルミオン代数のフォック空間の直和が、2つの Virasoro 代数の不確定 Verma 加群の無限個の直和に分解することを示していた。これらの事実から、NSR 代数の不確定特異点型頂点作用素が2つの Virasoro 代数の不確定特異点型頂点作用素の無限和に分解されることが示唆されており、2022年度はこの事実の証明に挑戦し、任意のランクについて証明が完成した。
この結果から、Virasoro 代数の不確定共形ブロックが双線形微分方程式をみたすことが導かれる。特に中心電荷が1となるとき、パンルヴェ方程式のタウ関数がみたす双線形微分方程式となることが期待されるので、我々の結果は不確定共形ブロックのフーリエ展開がパンルヴェ方程式のタウ関数となるという予想(第4,5パンルヴェ方程式の場合)の証明に向けて大きな一歩となる。
得られた不確定共形ブロックがみたす双線形微分方程式から、逆に不確定共形ブロックが決定されることもランク1,2の場合に確かめた。すなわち、特定の場合ではあるが、微分方程式による(表現論を介さない)不確定共形ブロックの定義が得られたことになる。確定共形ブロックに対してもそのような双線形微分方程式が知られていたが、不確定共形ブロックに対する双線形微分方程式はそれとは種類が異なることがわかり興味深いと思われる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
長年の課題であったNSR代数の不確定頂点作用素の分解定理の証明が完成したため。
|
今後の研究の推進方策 |
1. ランクが半整数の場合にNSR代数の不確定頂点作用素の定義、その存在と一意性の証明に取り組む。
2. パンルヴェ方程式の退化操作を参加にして、共形ブロックがみたす双線形微分方程式の退化操作を完成させる。得られた双線形微分方程式を利用して、不確定共形ブロックの定義を与える。
|