研究課題/領域番号 |
22K03361
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
横山 聡 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特任研究員 (70643774)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 確率解析 / 確率偏微分方程式 / 確率論 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請課題では水と氷、水と油など性質の異なる物質が共存する系に現れる界面の移動を記述している界面方程式に、予期せぬ要因で起こる揺らぎを確率的な要素であるランダムな効果(ノイズ)として数学的に捉え、ノイズの影響が考慮された界面方程式を確率論の一分野である確率偏微分方程式の枠組みで定式化しその解の解析を行う。実際に観測される現象では、ノイズは観測時刻、観測地点、観測方法などにより影響範囲が多岐に渡ると考えられるが、できる限り自然と思われる仮定をノイズに与え、対応する確率界面方程式をモデル化して界面の数学的解析を目指すものである。
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研究実績の概要 |
水と氷など性質が異なる2つの物質の中に現れる境界面の時間発展に対して、微小パラメーターを付加した確率偏微分方程式を道具に調査を続けている。本年度は双安定な反応項を持ち、輸送型の確率項が加わった体積を保存するような確率偏微分方程式である確率アレンカーン方程式を考察し、パラメーターを0に近づけた場合に現れる鋭敏界面極限(sharp interface limit)について詳細な議論を進めた。輸送項を構成するベクトル場に対しては、境界面の時間発展を記述する確率偏微分方程式の解の存在、一意性を議論する上での技術的な困難さから強い仮定を課さねばならない。可能な限り緩やかな仮定をベクトル場に課し、適切な初期条件の下で確率解析と漸近展開理論を駆使し対応する鋭敏界面極限の結果を得た。この研究結果は Franco Flandoli教授との共同研究によるものであり、雑誌 Results in mathematics に掲載が決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
輸送型の確率項を持つ体積保存型の確率アレンカーン方程式について結果を得ており、おおむね順調と考える。
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今後の研究の推進方策 |
輸送型ノイズに課された条件の一般化、確率項を持つ Cahn-Hilliard 方程式の場合への議論の拡張を検討したい。
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