研究課題/領域番号 |
22K03366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 玄 北海道大学, 電子科学研究所, 客員研究員 (50118535)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 弾性方程式 / 粘弾性方程式 / 逆問題 / 地盤解析 / バイブロサイス地盤解析法 / ダッシュポットモデル / ボルン近似 / 順静的 / 一意接続定理 / ノイマン・ディリクレ写像 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、地盤解析法として良く知られているバイブロサイス反射法地盤解析法に関する数学研究を行う。具体的には、地盤が区分的に斉次な等方或いは横等方粘弾性地盤の場合に、バイブロサイス反射法地盤解析法の数学的基礎付けを行う。この解析法に於ける計測データは、地盤表面の一部に於いて有限個の応力を与えた時に、その応答として得られる変位の有限個の組、即ち応力とそれに対する変位の有限個の組である。この解析法では、これら有限個の組から地盤の粘弾性テンソルと密度を、如何に求めるかが問題となる。本研究では、この問題が数学的に厳密な形で解ける事を示す。
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研究実績の概要 |
本研究の課題は、地球物理、地震学、資源探査、地盤工学等多くの分野で用いられる基本的な解析手法であるバイブロサイス反射法地盤解析法に関する数学研究を行う事である。具体的には、地盤が区分的に斉次な等方或いは横等方粘弾性地盤の場合に、バイブロサイス反射法地盤解析法の数学的基礎付けを行う。この解析法に於ける計測データは、地盤表面の一部に於いて有限個の応力を与えた時に、その応答として得られる変位の有限個の組、即ち応力とそれに対する変位の有限個の組である。そして計測データを記述する為のモデル方程式は、粘弾性方程式である。この解析法を数学的に定式化すると、この計測データから地盤の粘弾性テンソルと密度を、同定する逆問題となる。従って本研究の課題は、この逆問題を解く事である。 この逆問題について、研究代表者が申請時に書いた解決方針を実行する前に、この問題に関連する次の三つの問題を俯瞰する必要性を感じた。即ち、1)界面(方程式の係数の不連続面)が区分的に解析的な場合に、横等方弾性テンソルの対称軸が区分的に解析的である事を示す問題、2)積分微分方程式型粘弾性方程式とダッシュポットモデルと呼ばれる微分方程式型粘弾性方程式の違いを明らかにする問題、3)順静的粘弾性方程式と弾性方程式の二つの方程式に対して、本研究課題と同様な逆問題を考えた場合に、両方の逆問題を関連付ける問題である。これらの問題に対する研究成果は次の通りである。1)については、肯定的に解決した。2)については、それぞれの方程式の解の半群生成の是非を調べた結果、初めの方程式は非であり、後の方程式は是であった。3)については、初めの方程式の問題は、ボルン近似により、後の方程式の問題に還元出来る事が分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時に書いた研究課題に対して、その解決の為の研究代表者が想定した解決手法を適用して結果を出す前に、当該研究課題と関連する問題について俯瞰したため、申請時に予定した研究スケジュールに遅れが出た。この寄り道により研究の位置づけが明確になり、当該研究に関連する重要な問題発見に繋がった。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要で述べた3)の研究成果を、先ず論文として纏める。弾性地盤の場合について、本研究課題の逆問題と同様な逆問題を考える事は非常に重要な事であると再認識したので、この場合について研究成果を出す。また研究実績の概要で述べた2)の研究成果を、論文として纏める。
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