研究課題/領域番号 |
22K03375
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
柳沢 卓 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (30192389)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 調和ベクトル場 / Helmholtz-Weyl分解 / 位相的不変量 / Helmholtz-Weyl分解定理 / 境界値問題 / Navier-Stokes方程式 / MHD方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,2次元および3次元外部領域上で定義されたr-乗可積分なベクトル場に対するHelmholtz-Weyl分解定理を数学的に妥当な形で与え,更に,この分解定理の流体および電磁気学に現れる境界値問題への適用可能性を探ることを目的とする.このことにより,領域の位相構造が流体現象等に現れる境界値問題の解空間構造に与える影響を捉える統一的解析手法の提示を目指す.
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研究実績の概要 |
小薗英雄,清水扇丈,M.Hieber,A.Seyfert等との共同研究により得られた,3次元Euclid空間における滑らかな境界をもつ外部領域上のLr-調和ベクトル場のなす空間の構造に関する幾つかの結果を公表した. 具体的には,コンパクトではない外部領域上であっても,接線的な調和ベクトル場のなす空間Xrと法線的な調和ベクトル場のなす空間Vrは共に有限次元空間となることを示し,更にそれぞれの空間の次元と領域の位相的不変量との関係を明示的に与え,その結果を論文として公表した. 公表論文においては,与えられた外部領域の境界連結成分がL個で,各境界連結成分に付随するdisjointなカット面をそれぞれN_i(i=1,2,...,L)個とると領域を単連結にすることが出来るとすれば,空間Xrの次元については,全ての1<r<∞に対して,N_1+...+N_Lで与えられることを示した.一方,空間Vrの次元については,1<r≦3/2なるrに対しては L-1,3/2<rなるrに対しては L で与えられることを示した.すなわち,外部領域上のLr-調和ベクトル場のなす空間Vrは,r=3/2を閾値としてその構造が変化するが明らかになった.このような性質は,有界領域上の調和ベクトル場のなす空間はもたないことが知られている為,外部領域上の調和ベクトル場のなす空間のもつ著しい特徴の一つと考えられる. 尚,空間Xrの次元を領域の位相的不変量で決定する際に用いた手法も,既存のFoias-Temam等の方法を若干変更したものになっている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2次元及び3次元外部領域上のLrベクトル場に対するHelmholtz-Weyl分解定理に関わる結果を全て公表することが出来た.
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今後の研究の推進方策 |
得られた外部領域上のLrベクトル場に対するHelmholtz-Weyl分解定理の応用として,Div-Curl Lemma及び外部領域上のNavier-Stokes方程式やMHD方程式の解の安定性解析等について考察を進める.
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