研究課題/領域番号 |
22K03382
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三竹 大寿 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (90631979)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ハミルトン・ヤコビ・ベルマン方程式 / 外力付グラフ型平均曲率流方程式 / カプトー型時間分数冪拡散方程式 / Hamilton-Jacobi方程式 / 非局所偏微分方程式 / 平均場ゲーム / 生成伝播型微分方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
制御問題,力学系,界面運動,平均場ゲームに現れる,Hamilton-Jacobi方程式,平均曲率流方程式,Fokker-Planck方程式,分数冪時間微分を持つ方程式といった非線形性や特異性の強い偏微分方程式に対して長時間挙動,均質化問題といった漸近解析や,解の正則性に関する評価を行う.また,非局所界面運動を動機として,その等高面方程式の解の幾何的な性質について解析する.
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研究実績の概要 |
令和4年度は,(テーマ1) カプトー型時間分数冪拡散方程式の弱解の同値性,(テーマ2)ハミルトン・ヤコビ・ベルマン方程式の解の長時間挙動,(テーマ3)外力付等高面平均曲率流方程式のコーシー・ノイマン問題のリプシッツ評価について,幾つかの結果を得ることができた.テーマ1では,時間微分としてカプトー型時間分数冪微分を考えた拡散方程式について考察した.この方程式は,例えば土壌中の汚染物質の拡散など,不均質な媒体での拡散現象を記述する方程式として理論と応用の双方から注目を集めている.本研究では特に弱解の同値性について結果を得ることができた.微分できない解に対しては,超関数に基づく弱解の概念と,最大値原理に基づく粘性解の概念が標準的であるが,その同値性を証明することは簡単な方程式でも自明ではない.ここでは,レゾルベント型近似を用いて2つの同値性について示すことに成功した.テーマ2では,ハミルトン・ヤコビ・ベルマン方程式の解の長時間挙動について,長時間後の極限関数がどのように初期値に依存するかについて解明した.これらの解析では,偏微分方程式における粘性解理論が基本的な役割を果たしているが,従来の同理論に比べより一層,力学系理論との関連に注目してきた.具体的には,同方程式の背景にあるハミルトン系,又は確率ハミルトン系の関係を深めようとする弱Kolmogorov-Arnold-Moser(KAM)理論,またその一般化について,その発展させることで成功した.テーマ3では,同問題の解の時間大域的リプシッツ評価について,Bernsteinの方法から自然に現れる強圧性に相当する仮定を外力に加えて得ることに成功した.さらに,この仮定を外した場合には,時間大域的リプシッツ評価が得られないという例を構成して,仮定の最適性について示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
「外力付等高面平均曲率流方程式のコーシー・ノイマン問題や,ハミルトン・ヤコビ・ベルマン方程式の解の長時間挙動について計画通りの進展を得ることができた.カプトー型時間分数冪拡散方程式については,さらに均質化問題に関する考察も始めて,一定の成果を得ることができたことは計画以上の成果と言える.新型コロナウィルスの影響が弱くなってきたことで,海外出張や国際研究集会の開催,海外機関からの研究者の招聘が可能になり,計画以上の成果を得ることができた.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は,令和4年度に研究途中である,非局所界面運動に対する等高面方程式の解の幾何的性質やその漸近挙動,カプトー型時間分数冪ハミルトン・ヤコビ方程式の均質化問題について研究を進展させることたい.さらに外力付グラフ型平均曲率流方程式の応用としてスパイラルを記述する方程式の漸近速度に関する研究を進展させることを目標とする.コロナ禍の状況に応じて,研究打ち合わせを目的とした海外出張や,国際研究集会の対面での活発化していきたい.
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