研究課題/領域番号 |
22K03388
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高田 了 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (50713236)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | Navier-Stokes方程式 / Boussinesq方程式 / 回転流体 / 時間減衰評価 / 回転成層流体 / MHD方程式 / 特異極限問題 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,地球流体および磁気流体において,回転成層流および定常磁場が流れの様相に及ぼす影響やその仕組みを,非線形偏微分方程式論の観点から数学的に解明することである.この問題は,Coriolis 力および Boussinesq 近似を取り入れた Navier-Stokes 方程式,または MHD 方程式の初期値境界値問題や定常問題として数学的に定式化される.回転,成層および定常磁場が流れの安定性や長時間挙動に及ぼす分散性と異方性のメカニズム,またその相違に関する数学解析を行い,地球流体力学に対する数学的理論の構築を研究目標とする.
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研究実績の概要 |
本研究では,地球流体力学および磁気流体力学に現れる非線形偏微分方程式系の数学解析を行う.特に本年度は,回転による Coriolis 力の影響を考慮した非圧縮性 Navier-Stokes 方程式の時間大域解の漸近挙動,および回転と安定成層の影響を考慮した非圧縮性 Boussinesq 方程式の線形解評価に関して考察した. (1)Coriolis 力付き非圧縮性 Navier-Stokes 方程式の時間大域解の漸近挙動:3次元全空間において,回転による Coriolis 力の影響を考慮した非圧縮性 Navier-Stokes 方程式の初期値問題に関して研究を行った.初期速度場に1次多項式の重み付き可積分性を仮定した際に,同方程式の時間大域解に対して,回転による分散性の効果を含む時間減衰評価を導出した.更に解の長時間挙動を考察し,時間無限大において解が,線形解の積分核の1階導関数に修正項を加えたものに収束することを証明した.本研究で得られた解の漸近挙動は,回転の影響が無い場合は,通常の Navier-Stokes 方程式に対する先行研究結果に対応するものである. (2)3次元層状領域における非圧縮性 Boussinesq 方程式の線形解評価:水平方向は全平面かつ鉛直方向に周期性を課した3次元層状領域において,回転と安定成層の影響を考慮した非圧縮性 Boussinesq 方程式の初期値問題に関して研究を行った.本年度は線形解評価を考察し,回転および安定成層に対応した歪対称線形作用素から生成される時間発展作用素に対して,時間減衰評価および時空間積分評価を導出した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Coriolis 力付き非圧縮性 Navier-Stokes 方程式の時間大域解に関して,時間減衰評価および長時間挙動の導出に成功した.3次元層状領域における非圧縮性 Boussinesq 方程式に関しては線形解評価を確立し,非線形問題への応用について研究を継続中である.
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今後の研究の推進方策 |
3次元層状領域における回転と安定成層の影響を考慮した非圧縮性 Boussinesq 方程式,および定磁場周りでの Coriolis 力付き磁気流体力学方程式に関して,初期値問題の適切性および特異極限問題の数学解析を行う.
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