研究課題/領域番号 |
22K03412
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
矢田 和善 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90585803)
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研究分担者 |
青嶋 誠 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90246679)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 高次元PCA / 高次元k-means / 高次元天文データ / 異常値検出 / 高次元漸近理論 / 高次元クラスタリング / 客観的総合指数 / 高次元幾何的表現 / 高次元非線形PCA / 判別分析 / クラスタリング |
研究開始時の研究の概要 |
近年、様々な高次元データに高次元統計解析法を提供できるようになった。しかし、高次元データは線形的な潜在情報を多く包含し、その情報に基づく解析法が大半であった。本研究は、理論的困難さゆえに未開拓であった、非線形特徴量に基づく新たな高次元統計理論を開発し、高次元統計解析の応用範囲を広め、より高精度で柔軟な解析手法を提供する。この新しい方法論は、高次元データの線形的な潜在情報だけではなく、その非線形的な潜在情報も余すことなく利用でき、多様な高次元データの解析を必要とする社会へもインパクトが期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究の基礎となる研究課題「カーネル法における高次元幾何学的表現の導出とその応用」に取り組み、カーネル法に基づく分類理論を構築した。さらに、正則化パラメータに依存せず高速かつ高精度に主成分分析法を行うことができるオートマティック・スパース主成分分析法(A-SPCA)も開発した。
まずは、既存の研究が不十分であった高次元多クラスデータにおけるk-means法の漸近理論の構築に取り組み、k-means法が分類の意味での一致性をもつための正則条件を導出した。その高次元漸近理論をカーネルk-means法にまで拡張し、カーネルk-means法が従来のk-means法より緩い正則条件のもと一致性をもつことを証明した。さらに、カーネル法の高次元漸近的振る舞いを調査することで、カーネル関数が表現できる幾何学的構造の特定にも成功した。一方で、異常値を1つのクラスと考えることにより、カーネル関数を用いた高次元異常値検出法も提案した。
高次元の潜在構造を高速かつ高精度に抽出するために、新たな高次元主成分分析法としてA-SPCAを開発した。A-SPCAは正則化パラメータ無しに自動的にスパースな特徴ベクトルを与えることができる。さらに、A-SPCAを高次元の天文データであるALMAの分光マップデータに適用し、特徴ベクトルをスパース化することでその複雑な特性の定量化にも成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の基礎となる研究「カーネル法における高次元幾何学的表現の導出とその応用」が進んでいることからも、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度と5年度の研究を踏まえて、研究課題「非線形構造における高次元統計的推測理論の構築」に取り組む。
令和4年度の研究で導出した高次のモーメントに関する漸近理論と令和5年度に開発したオートマティック・スパース主成分分析法(A-SPCA)を用いて、高次元非線形構造における推定・検定法を開発する。まずは、高次のモーメントに関する漸近理論を用いることで、高次元共分散構造を含む2次以上のモーメント構造に関する検定手法を開発する。さらに、A-SPCAのアイデアを利用して、高次のモーメント構造を正則化パラメータ無しに自動的に推定するための方法論を構築する。
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