研究課題/領域番号 |
22K03425
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
榊原 航也 岡山理科大学, 理学部, 講師 (30807772)
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研究分担者 |
岡部 真也 東北大学, 理学研究科, 准教授 (70435973)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Sobolev勾配 / 幾何学流 / Langmuir膜 / Kobayashi-Warren-Carter / 接線速度 / 反応拡散系 / 樟脳 / 特異極限 / 弾性流 |
研究開始時の研究の概要 |
シャボン玉,滴り落ちる水滴など,身の回りには時々刻々と変形する現象に溢れている.この現象を数理的に調べる問題は移動境界問題として知られ,数学のみならず物理など様々な分野で研究されている.本研究では,その中でも界面科学や材料科学にあらわれる問題に焦点を当て,数理モデルの妥当性を数学の立場から明らかにする.さらにコンピュータを用いて計算するためのアルゴリズムも開発し,現象を目で見て理解できるようにもする.
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研究実績の概要 |
L2内積に関する勾配流の数学解析は非常に進展しており,その数値解析手法も段々とではあるが洗練されてきている.本研究では,L2内積の代わりに高階のSobolev内積で勾配流を考え,その数学解析・数値解析を進めることが大きな目標である. 本年度は,岡部真也氏(東北大学)ならびに森洋一朗氏(ペンシルベニア大学)との共同研究として,Langmuir膜の数理モデルを見直すことから始めた.その結果として,まず,Alexander等の数理モデルにおいて曲線の長さの減衰評価を斉次Sobolevノルムを用いて具体的に書き表すことに成功した.また,Stokes作用素に対するDirichlet-to-Neumann写像の基本解を具体的に求めることで,速度場の同値な別表現を得ることに成功した.これにより放物型偏微分方程式論の立場からの解析を進めることができるようになり,解の時間局所存在を示すところまであと一歩のところまで来ている. 上記以外にも界面現象に関連する研究を推進し,(i)高次元領域におけるKobayashi-Warren-Carterエネルギーの特異極限の導出(上坂正晃氏,岡本潤氏,儀我美一氏との共同研究),(ii)接線速度込みのBスプライン曲線を用いた幾何学的勾配流の構造保存型数値解析(剱持智哉氏,宮武勇登氏との共同研究),(iii)反応拡散型樟脳モデルの特異極限(界面モデル)の導出およびそれらの数理解析(長山雅晴氏,物部治徳氏,中村健一氏,小林康明氏,北畑裕之氏との共同研究)も行い,(i)は論文が受理され,また(ii),(iii)は論文を投稿中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Langmuir膜の数学解析・数値解析を進めるのが本研究課題の大きな目標であるが,その足がかりとなる結果を出すことができており,近いうちに論文を執筆できる程度の結果がまとまると考えられる.また,当初の予定になかった関連する研究課題でも研究成果を出すことができている.以上をまとめると,おおむね順調に進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究成果を基に,Langmuir膜の数理モデルにおける解の局所存在を示す.その後,長さの時間微分の評価を用いた解の大域存在の証明を試み,これらの研究成果を論文としてまとめる.また,本来の研究計画になかったとしても関連する研究を積極的に推し進めて行く.
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