研究課題/領域番号 |
22K03429
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
金 正道 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (50298379)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | ファジィ動的計画問題 / ファジィ非協力ゲーム / ファジィ最短経路問題 / ファジィ多目的最適化問題 / ファジィ順序関係 / ファジィ集合値解析 / ファジィ集合最適化問題 |
研究開始時の研究の概要 |
最適化問題の定式化は、現実問題の本質を損なわない程度に単純化したものであり、非常に多くの状況(場面)に対して適用(応用)されている。多くの場合、目的関数の値は実数やベクトルまたは確率変数や集合やファジィ数である。現実では通常、目的関数の値に不確実性が含まれ、使用可能なデータが少ない場合が多い。このような場合、確率変数を用いた定式化は不可能であるが、目的関数の値をファジィ集合とすることによって定式化が可能になり、より現実的な質の高い情報提供が可能になる。本研究では、集合値およびファジィ数値の場合を含む重要な拡張・一般化としてファジィ集合値である種々の最適化問題を考察する。
|
研究実績の概要 |
まず、集合およびファジィ集合に対するスカラー化手法を提案した。そして、提案するスカラー化手法を目的関数が集合値またはファジィ集合値であるいくつかの最適化問題(最短経路問題・有限期間確定的動的計画問題・非協力ゲームなど)に対して応用した。そして、集合値またはファジィ集合値最適化問題のスカラー化である実数値最適化問題の最適解が、もとの集合値またはファジィ集合値最適化問題の弱非劣解になることを導いた。次に、ファジィ集合値ミニサム型配置問題への発展を検討するため、ミニサム型配置問題において需要点および重みの不確実性を集合として表した集合値ミニサム型配置問題を考え、そのような不確実性を扱う新たなアプローチとして区間値アプローチを提案した。さらに、区間値アプローチによって導出される 1 次元における区間値ミニサム型配置問題に対して、すべての(弱)有効解を求める手続きも与えた。次に、ファジィ線形回帰への発展を検討するため、実数値入力・実数値出力データおよび実数値入力・区間値出力データに対する線形単回帰分析を考えた。そして、実数値入力・実数値出力および実数値入力・区間値出力データに対して、区間値線形回帰関数を提案した。それぞれのタイプのデータに対する既存研究における線形回帰関数との大きな違いは、線形回帰関数の定数項のみ区間とするモデルであり、与えられたデータ全体のうち、意思決定者が定めるある割合のデータのみを考慮して線形回帰関数が求められるという点である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の目標は「数理計画問題」「非協力ゲーム」「協力ゲーム」「最短および最長経路問題」「動的計画問題」をファジィ集合値に拡張したファジィ集合最適化問題を扱うことであり、2023~2024年度は「数理計画問題」および「協力ゲーム」を中心に検討することが当初予定である。現在までは、「数理計画問題」「最短および最長経路問題」「動的計画問題」「非協力ゲーム」に関する結果の一部が得られた。ただし、動的計画問題は有限期間を扱っている。さらに、ミニサム型配置問題において需要点および重みの不確実性を集合として表した集合値ミニサム型配置問題に関する結果の一部が得られ、その結果を発展させ、「ファジィ集合値ミニサム型配置問題」についても検討中である。また、実数値入力・区間値出力データに対する「区間値線形回帰」(ただし、単回帰のみ)に関する結果の一部が得られ、その結果を発展させ、実数値入力・ファジィ数値出力データに対する「ファジィ線形回帰」(単回帰および重回帰)についても検討中である。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題の目標は「数理計画問題」「非協力ゲーム」「協力ゲーム」「最短および最長経路問題」「動的計画問題」をファジィ集合値に拡張したファジィ集合最適化問題を扱うことであり、2023~2024年度は「数理計画問題」および「協力ゲーム」を中心に検討することが当初予定である。今後は、「数理計画問題」「最短および最長経路問題」「動的計画問題」「非協力ゲーム」に関してさらに考察し、より詳しい結果を検討し、「無限期間動的計画問題」「協力ゲーム」に関しても検討する。さらに、「ファジィ集合値ミニサム型配置問題」「ファジィ線形回帰」についても引き続き検討する。
|