研究課題/領域番号 |
22K03435
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
川原田 茜 京都教育大学, 教育学部, 講師 (70710953)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | セル・オートマトン / フラクタル / 特異関数 |
研究開始時の研究の概要 |
セル・オートマトン(CA)は様々なフラクタルを生成することが知られている。これらフラクタルの構造の違いを``測る''方法としてはフラクタル次元による方法が考えられるが、フラクタル次元が一致するフラクタルを区別することができない。そこでCAによるフラクタル生成過程におけるセル個数の変化をカウントし、それを正規化して極限を取ることにより、分布関数を構成する方法を考えた。分布関数を考えることでフラクタルの構造を見ることができるため、CAで生成したフラクタルを分類する指標となることが期待される。
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研究実績の概要 |
昨年度は2状態セル・オートマトン(CA)の軌道に関する結果が得られたので、今年度は3状態以上の多状態CAの軌道に関する研究を進めた。 CAをフラクタル生成器として用いる場合、単一のセルのみを正値で与える初期値、single site seedからの軌道を考える。2状態CAの場合には各セルの取りうる状態が0か1なので、single site seedにおけるseedは状態1になることが一意に決まる。しかし状態数が3以上のCAにおいては、seedとなりうる状態の候補が複数個出てくる。例えば、3状態CAでは各セルの取りうる状態の候補が0, 1, 2の3つなので、seedの候補は1か2の2択である。4状態CAでは各セルの取りうる状態の候補が0, 1, 2, 3の4つなので、seedの候補は1か2か3の3択である。このようにCAの状態数が増えていくと、seedの候補も増えていってしまい、考えなければならない軌道の数が増大していってしまう。 そこで状態数が増えたときに考えるべき軌道を絞り込むことができないか考え、今年度は以下のような結果を得た。線型CAの初期値single site seedからの軌道は、seedが1の軌道のみを考えれば十分であることを証明した。以下の3つの場合に分けて証明している。まずCAの状態数が素数の場合、それらの軌道はseedによらず全て同型になることを示す。状態数が合成数でseedが状態数と互いに素の場合、それらの軌道はseedを取り替えても同型になることを示す。状態数が合成数でseedが状態数と互いに素でない場合、その軌道にはそれ未満の状態数で同型となる軌道が存在することを示す。これら3つの場合を統合すると、3以上の任意の状態数の任意のseedからの軌道は、いずれかの状態数のseedが1の軌道と同型になることが言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
任意の次元における線型多状態CAの初期値single site seedからの軌道について、考えるべき軌道の数の絞り込みに成功したため。 またその結果を論文にまとめることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度得られた結果により、3状態以上の多状態CAの軌道について分類を行う準備が整ったと言える。次年度はさらなる一般化を進めるとともに、非線型CAに対する研究も進めていきたい。
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