研究課題/領域番号 |
22K03453
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森 史 九州大学, 芸術工学研究院, 助教 (90525891)
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研究分担者 |
岡田 崇 京都大学, 医生物学研究所, 特定准教授 (10741043)
杉 拓磨 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 准教授 (70571305)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 複雑ネットワーク / 情報流 / 神経回路 / 摂動論 / 全脳イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
生物系において、外部刺激に応じた行動決定を担っているのは神経ネットワークの活動である。線虫では、ある刺激に対する行動選択を担っている局所的なネットワーク構造が発見されているが、さまざまな刺激に対して常に局所的な情報処理で答えを出しているのか、あるいは、時に大域的な構造も利用しているのかは、定かではない。本研究では「ネットワーク上の情報流のパス展開理論」を線虫の神経回路に適用し、シグナルの伝達に重要な経路群を特定する。さらに、実験的にその経路群を観測することで、高分解能の情報流測定を実現する。こうして、理論と実験により、局所的及び大域的な情報流の全貌を明らかにし、行動決定のメカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
生物系において、外部刺激に応じた行動決定を担っているのは神経ネットワークの活動である。しかし、そこでどのような情報処理が実行され、どのように行動決定がなされているのかは、未解明である。例えば、神経回路のトポロジーが分かっている線虫では、ある刺激に対する行動選択を担っている局所的なネットワーク構造(モチーフ)が発見されているが、さまざまな刺激に対して常に局所的な情報処理で答えを出しているのか、あるいは、時に大域的なネットワーク構造も利用しているのかは、定かではない。本研究では、ネットワーク上の情報流を記述する理論を線虫の神経回路に適用し、刺激シグナルの伝達に重要な経路群を特定することを目指している。今年度は、確率的ブーリアンネットワークを用いて、ネットワーク上の情報の流れをパスと呼ばれる情報伝達経路の積を使って摂動的に展開する理論を、ネットワークモチーフに適用し、ネットワークモチーフの情報流の特徴を明らかにした。具体的には、ポジティブフィードフォワードモチーフは、高周波の入力シグナルを遮断するローパスフィルターの役割を持ち、ネガティブフィードフォワードモチーフは、低周波を遮断するハイパスフィルターの役割を持つことが明らかになった。さらに、そのようなフィルター機能の起源が、長さの異なる情報経路間の相互作用によって生み出されていることも分かった。一方で、長さの異なる情報経路を複数持たないポジティブ/ネガティブフィードバックモチーフは、フィルター機能を持たない。これらの成果を、オープンアクセスの国際学術誌に出版した。また、行動中の線虫の全脳イメージングに向けた顕微鏡のカスタマイズが大きく進展した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、ネットワークモチーフの情報流の特徴を明らかにし、論文として発表できた。また、行動中の線虫の全脳イメージングに向けた顕微鏡のカスタマイズが大きく進展した。よって、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
理論側と実験側のコミュニケーションをこれまで以上に密にし、理論の生物系への適用を実現させる。
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