研究課題/領域番号 |
22K03471
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
田原 周太 琉球大学, 理学部, 准教授 (80468959)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 超イオン導電体 / トポロジカル解析 / 分子動力学シミュレーション / 超イオン導電物質 / 計算機シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
超イオン導電体は、これまで主として用いられてきた液体電解質に比べて安全な固体電解質の候補として有望視されている。 本研究では超イオン導電体やその融体について、アニオン分極効果を自己無到着アルゴリズムで取り入れた分子動力学シミュレーションを行い、そのイオン分布の特徴を知るために、最新の幾何学的手法であるパーシステントホモロジー解析を行う。それによって得られる結果から、超イオン導電物質中のイオン拡散メカニズムに対する知見を得ることを目的として研究を行う。
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研究実績の概要 |
AgIは超イオン導電体の中でも最もシンプルな物質の1つであり、146℃以上でAgイオンのみが拡散するα相が出現する。α相における構造や伝導メカニズムは多くの研究者らに興味を持たれ、実験的にも理論的にもこれまでによく研究されており、特に最近の理論研究では第一原理分子動力学シミュレーションや分極可能イオンモデル(PIM)を用いた分子動力学シミュレーションが行われている。しかしながら、従来の構造研究でよく用いられてきた構造因子や二体分布関数の他にも、現在ではパーシステントホモロジー(PH)解析のような新しい構造解析の手法が開発されてきているため、本研究ではα-AgIにPH解析の適用を試みた。Iイオンの分極効果も確かめるため、解析に使った原子配置はPIMを用いない剛体イオンモデル(RIM)と、PIMの2つのモデルによる分子動力学シミュレーションによって得た。 PH解析によって得られたパーシステント図(PD)を見ると、PIMの導入によってAgイオンのみのPDが大きく広がり、かつRIMにはないピークが現れることがわかった。この特異なピークを逆解析したところ、Agイオンが形成する大きなリング状の分布が抽出された。このリング状分布は溶融相において指摘してきたAgの1次元的で協調的な流れと似たものであると解釈しており、α相においても同様のイオン伝導メカニズムによる伝導が実現していることを示唆している。 これらの研究成果は2022年9月に広島で開催された国際会議「The 18th International Conference on Liquid and Amorphous Metals」において報告した。現在は解析を更に深め、論文を執筆している段階にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
α-AgIに対する分子動力学シミュレーションによって構造モデルが得られ、かつPH解析によってイオン伝導メカニズムに関する知見が得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
室温でAgイオンが拡散可能なRbAg4I5の超イオン導電相と溶融相に対して、第一原理分子動力学シミュレーションの実行を進めており、更に機械学習分子動力学シミュレーションの導入に向けて研究を進める予定にしている。
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