研究課題/領域番号 |
22K03476
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
池田 研介 立命館大学, 理工学部, 授業担当講師 (40151287)
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研究分担者 |
清水 寧 立命館大学, 理工学部, 教授 (30388128)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | カオス / 量子カオス / 正常拡散 / アーノルド拡散 / 非可逆性 / 量子転移 / 準結晶 / 量子論 / エルゴード性 / 少数自由度系 / 有界相空間 |
研究開始時の研究の概要 |
有界な少数自由度量子カオス系でエルゴード化が実現される過程を、双対系を構成する方法によって初めて解明する。理想カオス極限にある少数自由度有界系が研究される。同時に可積分副自由度と結合した有界量子カオス系を研究し、副自由度内に誘起されるカオス拡散現象の量子版を研究する。その目的は量子アーノルド拡散の存在可能性の追及にある。更にそれらの半古典古典論を構成し、古典概念によってエルゴード化転移の諸相を解明する。
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研究実績の概要 |
ほとんどの力学系は非可積分であり小さな有界カオス成分を伴うが、この小さいカオスが系全体に及ぶglobalな不安定化を引き起こす経路の形成を行いうるか? という問いはArnold以来の古典的な問題である。この問題の量子力学は全く未解決であるが、我々はこの課題に挑戦してきた。小さい「量子」カオスがそれに結合した自由度にglobalな拡散を引き起こすか? この問題に答えるべく、我々はtwin法という強力な方法を提案した。
まず、この方法の有効性を確立するためにいささか人工的な系であるがカオスの大きさが幾何学的境界条件によって制限される場合でしかもカオスの不安定性が十分大きい場合を考察した。結合自由度数が3以上の場合、量子準位数(系のヒルベルト次元)が十分大きい場合なら結合定数の増大ともに臨界現象的に拡散が発生することが確かめられた。幾何学的境界条件ではなく力学的に自然に閉じ込められたカオス系でも、ヒルベルト次元が十分大きく、且つカオス系が十分に不安定な場合には臨界現象的に拡散が発生することが確かめられた。これらの成果は論文としてPhysical Review Letter誌に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小さい「量子」カオス系が十分不安定で且つ系のヒルベルト空間次元が十分おおきいならば、結合自由度数が3以上ならグローバルな不安定化をカオスが誘起できることは示された。 ヒルベルト次元が小さい場合and/or カオスの不安定性が弱い場合に果たして拡散が誘導されるかどうかが本当に知りたい問題であって、次年度以降はその問題の探求にあてられるであろう。幾何学的条件によって閉じ込められた十分不安定な小さいカオスという理想的な場合を第一段階として考察してきたが、カオス系のヒルベルト次元が小さい場合には付加自由度数が臨界数3を越えても、拡散の誘導がかならずしも自明でないことがわかってきた。ここでは従来考えられなかったような奇妙な転移が起きてる可能性もあって、目下その解明に力を注いでいる。
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今後の研究の推進方策 |
Twin法によって、境界条件で幾何学的に局限された小量子カオスによるglobal量子拡散誘導現象を完全に解明する。既にのべたようにこのような理想的な場合ですら小量子カオスのヒルベルト次元(状態数)が小さい場合の拡散が誘導される過程では新奇な現象が起きてる可能性があってその解明にあてる。ついで研究の方向をより自然な小さいカオス系に発展させ最終的にいわゆる「小さい弱い量子カオス」が誘導する「量子アーノルド拡散」の有無とそのダイナミクスという未解決問題に挑戦する。
同時に昨年に引き続き、準結晶系のような不規則性を伴わない系がcoherentな相互作用によって量子拡散性を獲得する過程をより一般的条件で調べてゆく。
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