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光で駆動する分子エキシトン型量子コンピュータの計算分子設計

研究課題

研究課題/領域番号 22K03480
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分13010:数理物理および物性基礎関連
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

米谷 佳晃  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光量子科学研究所 量子応用光学研究部, 主幹研究員 (80399419)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード量子動力学計算 / 電子励起 / 分子素子 / 量子回路 / 量子コンピュータ / エキシトン / 量子計算 / 量子動力学 / 経路積分 / 光科学 / 量子ダイナミクス / 励起子 / 分子設計
研究開始時の研究の概要

エキシトン伝搬に関する研究は、電子移動の基礎物性解明だけでなく、次世代光エネルギー技術の開発に欠かせない。エキシトンの流れを制御した分子レベルの論理演算回路を作成し、量子演算を実行できれば、量子コンピュータの新規アーキテクチャーとなると期待される。しかし、他の方式による量子コンピュータの開発が進んでいる中で、分子のエキシトンを用いた方式については多くの部分が未知数である。本申請課題では、分子エキシトンに基づく量子コンピュータの実現に向けて、必要な分子の特性を理論計算から明らかにし、設計の指針を導く。結果は量子通信や量子アルゴリズムなど関連する数理科学や量子情報技術の発展に寄与する。

研究実績の概要

エキシトンの流れを究極的に制御できれば、分子レベルの論理演算回路を作ることができ、微小なコンピュータの実現につながる。さらにエキシトンの量子性に注目し、重ね合わせ演算を実行できれば、新たな量子コンピュータの方式となることが期待されている。しかし、量子コンピュータの開発は、核スピンや半導体など他の方式が進んでおり、分子エキシトンを用いた構想は遅れている。最近MITのグループから理論による構想が報告されたが、多くの部分が未知数である。 本課題では、「分子エキシトン型量子コンピュータを実現するには、どのような特性の分子をどのように組み合わせればよいか」を明らかにするために、理論計算による検証を進めてきた。計算では、量子ゲートのハミルトニアンを構築し、量子動力学計算を行い、エキシトンの流れを解析した。NOT、Hadamardの量子ゲートの他に、Deutsch-Jozsaの量子アルゴリズムを実行する量子回路に解析対象を広げ、実現可能性を検証した。Deutsch-Jozsaの量子アルゴリズムは、ブラックボックス内のビット配列の情報を導くためのアルゴリズムで、最も単純な量子アルゴリズムの1つである。エキシトンハミルトニアンの枠組みを使って、この量子回路を4つの励起サイト間のエキシトン移動として記述した。環境の部分は、複数の調和振動子で表した。経路積分の半古典解法により、量子系の時間発展を求め、量子演算フィデリティーを評価した。環境ノイズの中で、できる限り高いフィデリティーを実現するために必要な条件を明らかにすることができた。また、そのために必要な分子配置と遷移双極子の配置について検証した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究課題の第一段階は、必要な分子特性を評価することである。具体的な量子回路を対象に量子動力学計算による解析を進めた。そして、量子アルゴリズムを実現するために必要な分子の特性を導くことができた。また、導いた結果について、量子技術関連の学会や研究会で発表を進めた。順調に進めることができたと言える。

今後の研究の推進方策

必要な分子の特性を導くことができ、今後検証しなければならない点がわかってきた。1つは環境の設定である。現状では複数の調和振動子の重ね合わせとして環境を扱っているが、今後、環境モデルの調整と具体的な分子系、物質系との対応について検討を進めていく。もう1つは、分子配置と電子特性(電子カップリング)の関係である。様々な分子配置を生成し、電子カップリングの評価を進めていく必要があり、電子状態計算などの量子化学計算の活用を検討する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Unsolved problem of long-range interactions: dipolar spin-ice study2024

    • 著者名/発表者名
      Yonetani Yoshiteru
    • 雑誌名

      Journal of Physics: Condensed Matter

      巻: 36 号: 17 ページ: 175401-175401

    • DOI

      10.1088/1361-648x/ad1ca6

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Exciton quantum dynamics in the molecular logic gates for quantum computing2023

    • 著者名/発表者名
      Y. Yonetani
    • 雑誌名

      Chemical Physics

      巻: 570 ページ: 111860-111860

    • DOI

      10.1016/j.chemphys.2023.111860

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Strange layer structure of dipolar spins formed on the spin-ice lattice2023

    • 著者名/発表者名
      Y. Yonetani
    • 雑誌名

      Chemical Physics Letters

      巻: 817 ページ: 140406-140406

    • DOI

      10.1016/j.cplett.2023.140406

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 量子動力学計算によるエキシトン量子論理ゲートの設計2023

    • 著者名/発表者名
      米谷 佳晃
    • 学会等名
      Q-LEAP光合成理論系交流会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] エキシトン量子ゲートの量子動力学計算と分子設計2023

    • 著者名/発表者名
      米谷 佳晃
    • 学会等名
      第48回量子情報技術研究会 (QIT48)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] エキシトン量子ゲートの量子動力学計算2023

    • 著者名/発表者名
      米谷 佳晃
    • 学会等名
      光・量子ビーム科学合同シンポジウム(OPTO2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 双極子スピンアイスの長距離相互作用と相転移2023

    • 著者名/発表者名
      米谷 佳晃
    • 学会等名
      日本物理学会 第78回年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 長距離静電相互作用の計算法:液体水と格子スピン系の比較2023

    • 著者名/発表者名
      米谷 佳晃
    • 学会等名
      第25回理論化学討論会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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