研究課題/領域番号 |
22K03482
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小森 文夫 東京工業大学, 物質理工学院, 研究員 (60170388)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 重い電子系 / f電子 / 原子層 / 第一原理計算 / 走査トンネル顕微鏡 / 2次元近藤格子 / エピタキシャル薄膜 / 電子状態計算 |
研究開始時の研究の概要 |
3次元格子状に配置された磁性f元素がつくる重い電子系や磁気秩序などの強相関物性の理解が進んでいる。本研究では、近藤共鳴状態を持つCe原子を2次元格子状に配置した系をPt(111)面上のエピタキシャルCePt2原子層で実現し、その電子状態を研究する。実験研究では、光電子分光、軟X線分光および準粒子干渉を用いて、この系のスピン依存電子状態を調べる。そして、第一原理計算による電子状態計算結果と比較し、Ce4f電子と遍歴電子との相互作用をパラメタとする2次元Ce近藤格子の電子状態を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では、近藤共鳴状態を持つCe原子を2次元格子状に配列している系をPt(111)面上のエピタキシャルCePt2原子層で実現し、その電子状態を調べている。これまでに行った走査トンネル顕微鏡(STM)を使った準粒子干渉による研究で近藤共鳴状態を示唆する電子状態がみいだされているが、その詳細は不明である。そこで、第一原理計算による電子状態計算結果と実験結果を比較するとともに、さらに実験研究を進めている。 これまでの研究により表面第一層はPt原子で覆われており、その原子配列はバルク結晶であるCePt5結晶の終端構造ではなく、Pt(111)表面が2x2に再構成した構造であることが示されている。STMによって観測された表面トポグラフ像は探針と試料表面との距離に依存しており、探針が試料表面に近い場合にはこれまで理論的に予想されたものとは異なっている。前年度に実施したSTM像の計算では、探針表面間距離が近い場合に計算結果が実験像と一致していなかった。そこで、電子相互作用パラメータを入れた計算を行なった。実験研究としては名古屋大学の研究協力者が管理する低温STMを共同利用し、Pt(111)単結晶を用いたSTM測定を始めた。また、本研究ではバルク結晶での実験結果との比較も重要であり、これまでマクロサイズの単結晶が得られないことが問題であった。そこで、微結晶試料のSTM測定などの顕微観察・測定を可能とすることを目標に、マクロ多結晶から収束イオンビーム(FIB)を用いて微結晶を切り出し、それを基板に固定して真空中でスパッターアニールを可能とする汎用手法を研究協力者とともに開発した。 成果の公表としては、これまでのCePt2原子層の研究結果を日本語の解説として、FIBを用いた表面試料作製方法について原著論文を出版した。また、本研究の研究成果は2つの国際会議と4つの国内会議で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
電子状態解明のための第一原理計算をさらに進めた。実験で得られたSTM像とシミュレーションの結果を比較して検討した。探針が遠い場合には、実験結果をよく再現するが、探針が近い場合には実験結果と一致しなかった。その理由を調べるためにはさらに高度な計算手法を取り入れ計算手法も改良し計算を始めている。また、装置の故障はあったが、共同利用による低温STMを用いた実験研究も研究協力者とともに開始している。
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今後の研究の推進方策 |
第一原理計算によるSTM像シミュレーションと原子構造探索をさらに進め、STM観察結果との比較を行う。特に、電子相関を取り入れた計算を研究協力者とともに進める。実験研究として共同利用施設にてSTM実験を行い清浄なPt原子層で表面を覆われたCePt2単原子層の作製条件を確立する。そして、その上にガスを吸着させ、吸着による電子状態変化の研究を進める。Pt(111)面でのこれらの吸着はよく知られているので、本系の表面Pt単原子層への吸着状態は、LEED、STM、軟X線電子分光および第一原子計算を用いて調べPt単結晶表面での結果と比較検討する。
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