研究課題/領域番号 |
22K03517
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
松田 達磨 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30370472)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | カイラル構造 / バンド構造 / フェルミ面 / 単結晶 / 光電子分光 / トポロジカル / カイラル / 量子振動 / 超伝導 / ドハース・ファンアルフェン効果 / 非相反電気磁気効果 / 金属管化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
物質に対する磁場や電場、圧力といった外場を印可した際の物性応答や電子状態は、物質の構造が持つ空間的な対称性を反映した電子系や格子系のもつ自由度と、外場がもたらす 対称性との関係に帰着し調べることが普遍的理解にとって重要である。本研究ではカイラルな対称性を持つ物質、特にバルクの金属間化合物において現れる特徴的な輸送特性を明らかにすることを目的として、非磁性二元化合物TrX4(Tr:Rh, Ir, X: Ge, Sn)の単結晶育成と輸送特性研究を行うものである。
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研究実績の概要 |
カイラル構造を持つ物質及び関連する物質の高純度結晶育成及び物性研究を推進した。昨年度、ドハース・ファンアルフェン効果測定により伝導電子の特性を明らかにしたTrX4 (Tr: Rh, Ir; X: Ge, Sn) について、よりフェルミエネルギー近傍の電子状態をあきらかにするため、早稲田大学の研究グループとの共同研究として、角度高分解の光電子分光実験を行い、フェルミ面のトポロジーとバンド構造を明らかにした。また、これらの物質の同組成異性体となるβ-IrSn4については、トポロジカル物質の可能性が議論されていることから、詳細な輸送特性と低温で発現する超伝導特性について研究を行った。 その他いくつかのカイラル構造を持つ物質の物性研究を行った。Y3Rh4Ge13については、X線回折実験結果の詳細な解析の結果、過去の研究報告とは異なるカイラル構造をとることをはじめて明らかにした。さらに、低温で発現する超伝導相について、過去の報告とはことなる超伝導相が存在する可能性を示した。関連物質であるSm3Ru4Ge13については、強相関電子状態の発現メカニズムを探るため、メスバウアー効果及びμSR実験を行い、Smイオンの価数状態について初めてミクロスコピックな視点から明らかにした。さらに、この系もY3Rh4Ge13と同様にカイラル構造を持つ可能性が高いことを見出した。 カイラル構造を持つ金属として、PdGa及びPtGaの高純度単結晶育成を行い、ドハース・ファンあるフェン効果測定を行った。バンド計算との比較により、複数の小さなフェルミ面の存在と、それらのフェルミ面の間の軌道交差が起きていることを明らかにし発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究全体として、当初の計画にある研究対象の研究を進展させつつ、新たな研究の展開を考え他の物質系の開発を行った。その結果、複数のカイラル物質系に研究対象を広げることに成功した。当初の研究計画にある、カイラル物質の非相反応答現象の研究については、試料の微細加工技術を用いた精密測定が必要不可欠であることが分かり、他大学の研究者との共同研究として進めることとした。研究対象を広げたことによる実験量の増加に加え、年度末に大学実験設備の改修工事の影響で実験ができない期間があったため、今年度の計画していた実験のうち一部を実施できなかったものの、全体としては、共同研究の広がりも含め研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題のポイントである、カイラル物質の一般的な電子状態の解明をめざし、可能な限り研究対象となる物質の開発をすすめる。それと平行し、輸送特性研究については、東北大学及び大阪大学の共同研究者等と微細加工技術を用いた精密測定を推進し、定量評価をめざす。また、これまで非磁性のカイラル物質を中心としてきた研究を磁性物質にも広げ研究をすすめる。これらの磁性物質については、磁気構造を明らかにするため、中性子線や放射光施設を用いた実験により、磁気的な対称性を明らかにした上で、輸送特性の研究をすすめる。
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