研究課題/領域番号 |
22K03539
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
永井 佑紀 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 副主任研究員 (20587026)
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研究分担者 |
富谷 昭夫 大阪国際工科専門職大学, 工科学部, 助教 (50837185)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ニューラルネットワーク / 対称性 / 強相関電子系 / 自己学習モンテカルロ法 |
研究開始時の研究の概要 |
ある理論的な模型は低エネルギー領域において別の有効模型で書ける場合がある。従来このような有効模型は人間が手で導出していた。本研究では、ニューラルネットワークを用いて有効模型の自動構築を試みる。さらに、系が持つ対称性を自動的に保つようなニューラルネットワークを用いることで、高精度な有効模型を構築する手法を確立する。これらにより、物性分野のシミュレーションを飛躍的に高速化することを目的とする。
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研究実績の概要 |
対称性を考慮したニューラルネットワークを考えるにあたり、対称性が重要な系であるスピン系(グローバルな回転対称性)とSU(N)ゲージ場(ゲージ対称性)を対象とした。ゲージ対称性に関しては、少数のパラメータでゲージ対称性を保ったニューラルネットワークの作成に成功している。本研究の対象は固体物理であり、SU(N)ゲージ場の系は電子系やスピン系ではあまり現れることがない。しかしながら、局所的なゲージ対称性は非常に厳しい対称性の条件であり、SU(N)ゲージ場においてうまくニューラルネットワークが構成できれば、スピン系でも構成できる可能性がある。今後は、スピン系における対称性の情報を組み込みながら、同時に表現能力も高いニューラルネットワークの構築を目指す。 そのほかには、SU(N)ゲージ理論において、ゲージ不変性を保つような有効理論を機械学習によって構築することに成功し、論文をPhysical Review Dに出版した。また、機械学習関連技術であるスパースモデリング技術を用いることで超伝導体における有効なシミュレーション手法を開発する論文をJ. Phys. Soc. Jpn.に出版した。これらに加えて、回転対称性、並行移動対称性、置換対称性、を不変とするニューラルネットワークを利用した機械学習分子動力学法についても研究を行い、有効模型を効率的に構築する方法に関して口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スピン系での研究成果を論文にまとめることができておらず、スピン系に関しては、スピンに対する回転対称性を保ったニューラルネットワークの作成を試みているが、パラメータの数の多さが表現能力の豊かさに繋がる様な構造のニューラルネットワークの構成に手間取っており、現在、他の分野での対称性を保ったニューラルネットワークの構成法を参考にしながら、スピン系への適用を模索しているものの、ゲージ場に対するニューラルネットワークの構築には成功していることから、おおむね順調に進展している、と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に引き続いて、他の分野における先行研究(対称性を保ったニューラルネットワークの構成法)を参考にしながら、スピン系における表現能力の豊かなニューラルネットワークを構成するために、対称性を保ったままパラメータを増やす方法についての調査を実施し、得られた研究成果を国際会議において、発表する。
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