研究課題/領域番号 |
22K03555
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
山本 直樹 自治医科大学, 医学部, 講師 (90580671)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | アミロイド中間体 / クライオ電子顕微鏡 / アミロイド線維 / 単粒子解析 / アミロイド線維中間体 / 線維前駆中間体 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病等に関わるタンパク質異常凝集体、アミロイド線維の形成メカニズムはまだ不明な点が多い。そこで本研究では、アミロイド線維中間体がどのようにアミロイド線維へと構造転換するかを、核心をなす学術的「問い」に設定し、その「問い」に答えるために、応募者が独自に見出したアミロイド線維中間体蓄積系を用い、クライオ電子顕微鏡によるアミロイド線維形成の構造基盤の解明を行う。
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研究実績の概要 |
アミロイド線維はアルツハイマー病とはじめとする様々な疾患に関連すると言われており、その形成機序を明らかにすることは必須の課題である。近年、アミロイド線維形成前に中間体が形成され、その中間体が何らかの構造転換を引き起こしてアミロイド線維になるというモデルが提唱されている。従って、この構造転換過程の仕組みを明らかにすることは重要であり、そこから得られる知見は中間体をターゲットとした創薬指針の提唱にもつながる。本研究では、インスリンに由来するアミノ酸30残基のペプチド、B chainをアミロイド線維形成モデルペプチドとして用い、中間体からアミロイド線維への構造転換過程を、クライオ電子顕微鏡を用いて明らかにすることが目的である。今年度は、前年度に引き続いて、クライオ電子顕微鏡を用いて得られた高分解能画像を元に中間体の構造解析を進めた。さらに、2年度目の目標であった、中間体構造の比較対象であるアミロイド線維の構造解析を試みた。まず、中間体の構造解析は、解析に用いる様々なパラメータを変化させて行ったが、いずれも類似したフレキシブルな構造となり、アミロイド線維と異なり、中間体は依然として定まった構造を形成していない部分が多いことを再確認した。また、アミロイド線維については、クライオ電子顕微鏡で効率よく観察できるための条件検討を行い、最適な濃度並びにpH条件を見出した。この条件において300kV電子加速度のクライオ電子顕微鏡を用いた測定を行い、解析に十分耐えうるデータの取得に成功した。さらに、簡易的な解析により、アミロイド線維様の構造体を確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年度目の目標であった、中間体構造の比較対象となるアミロイド線維の構造解析が順調に進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
3年度目は、電子顕微鏡の高分解能画像データ取得に成功したアミロイド線維の構造解析を進めることにより、線維構造の高分解能構造、中間体構造と比較することにより、中間体からアミロイド線維になる際にどのような構造変化が起こるのかを明らかにすることで、アミロイド線維形成に必要な構造転換の要素を明らかにする。その知見をもとに、中間体に着目した、ジェネラルなアミロイド線維形成阻害剤の設計指針を提唱する。
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