研究課題/領域番号 |
22K03567
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14010:プラズマ科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
長友 英夫 大阪大学, レーザー科学研究所, 准教授 (10283813)
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研究分担者 |
城崎 知至 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (10397680)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | レーザープラズマ / 輻射流体シミュレーション / レーザープラズマ相互作用 / 放射流体シミュレーション / 近相対論レーザープラズマ相互作用 / 運動論シミュレーション / 非局所電子熱伝導 |
研究開始時の研究の概要 |
レーザープラズマのシミュレーション手法は、プラズマを連続体と近似した流体方程式を基礎方程式とする手法と、電子・イオンの粒子運動を考える運動論的手法に大別できる。放射流体シミュレーションに運動論効果モデルを導入することによって近相対論LPI領域の数値解析を向上させる。高速電子の発生源を運動論に基づくシミュレーションによって物理的特性を分類し、高速電子発生モデルを構築する。また、流体シミュレーション手法と親和性の良いフォッカー・プランク方程式を基にした簡易的な高速電子輸送解法を新たに開発することによって近相対論LPIを伴う領域を含むプラズマの流体シミュレーションを一貫して行えるようにする。
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研究実績の概要 |
レーザープラズマの輻射流体シミュレーションのための近相対論レーザープラズマ相互作用を考慮したレーザー吸収・高速電子発生の数値モデル構築のためにシミュレーションから得られたデータの収集、整理を行った。すなわち、高強度レーザーを固体ターゲットへ照射した際に形成される長尺な密度スケールをもつプラズマにおける近相対論レーザープラズマ相互作用の運動論シミュレーションについて、1次元のPICシミュレーションを用いて、レーザー強度、プラズマ密度のスケール長を変化させ、発生する電子のスペクトル、散乱光、レーザーエネルギーの吸収率等のデータ収集を行った。また、その過程で、1次元PICシミュレーションにおいてラマン散乱の発生が1次元的な構造の影響を受けやすいことが明らかになったことから、多次元的な構造の影響を調べるために2次元シミュレーションによってそれらの影響を調べることも必要と考え、その計算の準備として2次元コード整備にも着手した。 以上の運動論シミュレーションから得られたデータからモデルを構築し、輻射流体シミュレーションコードに組み込むために、フォッカー・プランクコードの2次のモーメント式までを考慮した簡易フォッカー・プランクを改良し、完全陰解法手法に基づく安定なシミュレーションコードを開発、構築した。 これらのシミュレーションは大阪大学サイバーメディアセンターの大型計算機で実行され、その利用負担金を経費として計上した。また、得られたデータ処理・保管のためにPCを1台購入した。 日本物理学会、プラズマ・核融合学会、および日本流体力学学会等の主催する各種会議に参加し、本研究による成果の発表、関連する情報収集に努めた。そのための旅費、参加費を経費として計上した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの運動論シミュレーションによるデータベース、数値モデル構築のうち、データベース構築を中心にほぼ当初の計画通り、順調に進んでいる。ただし、得られたデータが想定していた以上に複雑な振る舞いをしている部分があり、追加課題として2次元シミュレーションを実施するなどの検証準備を進めてきた。該当年度としては順調に進捗しているが、次年度以降の課題が増えたことからその対策が求められることになった。
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今後の研究の推進方策 |
想定していた結果よりも時間的空間的に微細な現象、構造が大局に影響を及ぼしている可能性があり、追加課題として2次元シミュレーションを実施するなどの検証準備を進めている。これは学術的に興味深いものであり、もう少し詳細を調べる予定である。一方で、本来の課題の目的から大きく逸脱しないために、運動論シミュレーションと比べ、時間的・空間的分解能が低い流体シミュレーションにおいては、簡易モデル構築においてどの程度それらを詳細に記述すべきなのか明らかにし、コンパクトなモデルにすることも求められている。それらを踏まえたモデル化の議論を進めていく予定である。
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