研究課題/領域番号 |
22K03573
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辻井 直人 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 講師 (20707351)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 低域混成波 / 非誘導電流駆動 / トカマク / プラズマ / 核融合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、トカマク型核融合炉の性能向上を目指して、高周波によるトカマクプラズマの非誘導電流駆動を定量的に理解し、中心ソレノイドを用いないトカマク運転手法を確立することである。電流駆動に使える高周波の中で、低域混成波には電流駆動効率が高いというメリットがあるが、効果的な制御には波の伝搬をサポートするプラズマを波自身が生成する複雑な非線形系を理解する必要がある。本研究では波とプラズマの相互作用や複数の電流駆動系の相乗効果を利用する電流駆動シナリオを偏光計を用いて実験的に検証する。実験結果は拡張電磁流体力学を含む数値計算により解析し、高速電子のドリフトが電流分布形成に果たす役割を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、トカマク型核融合炉の性能向上を目指して、高周波によるトカマクプラズマの非誘導電流駆動を定量的に理解し、中心ソレノイドを用いないト カマク運転手法を確立することである。昨年度は新オフミッドプレーン入射低域混成波アンテナにより高速電子損失が低減されることが確認された。
本年度は、オフミッドプレーン入射アンテナ駆動プラズマの特性をより定量的に調べるため、詳細な分布データを取得した。さらに、プラズマ電流値を合わせた外側赤道面入射と上側入射アンテナ駆動プラズマを調整し、同様に分布データを取得した。高速電子電流を取り入れた拡張MHDにもとづく平衡解析を行ったところ、高速電子電流の割合がオフミッドプレーン入射で大きくなることがわかった。これは、高速電子の閉じ込めが改善した効果と考えられる。波動による電流駆動計算から得られたプラズマ電流値は、実験で観測された電流値の2-3割以内であり、精度の良い予測が可能であることが確かめられた。また、波動の吸収特性を、入射電力変調を行うことで調べたところ、特に赤道面入射で強いイオン加熱が観測された。低域混成波は線形には電子に吸収されることが期待されるが、非線形には、パラメトリック崩壊不安定性によりイオンに吸収される。赤道面入射は線形吸収がもっとも弱いシナリオであるが、実験的にも線形吸収が弱いことが示唆された。ただし、総イオン加熱電力は入射電力の1割以下であり、全体の電子加熱・電流駆動に対する影響は大きくないと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
オフミッドプレーン入射アンテナ駆動によるプラズマ生成の特性を詳細に調べ、定量的にも妥当な解釈を与えられることがわかった。また、今後のアンテナ改造のための指針も得られたので、研究は順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
現在入射電力はアンテナのフィーダー近くの構造の耐電圧で決まっており、プラズマとの相互作用によって耐電圧が低下している。また、プラズマへの低域混成波の結合も若干弱めなので、アンテナの治具とリミターの改造を行う。これにより入射電力を大幅に上げることができ、より高性能なプラズマを生成できると考えられる。
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