研究課題/領域番号 |
22K03578
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
福本 直之 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (90275305)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | プラズマガン / ダイバータ / プラズマ照射 / 非定常熱負荷 |
研究開始時の研究の概要 |
核融合炉において燃料や灰の粒子排気やプラズマからの熱除去を担うダイバータでは,特に定常熱負荷,非定常熱負荷に対する機器の健全性などの課題がある.それらを解決するため,液体金属や粒径の小さいSiC球等を用いたダイバータが考案されている.本研究では,プラズマガンを用いて非定常熱負荷を模擬する試験装置を開発し,これら先進的ダイバータ材料の短パルス高熱負荷特性および動的な振る舞いを実験室レベルで明らかにすることを目的としている.
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研究実績の概要 |
本研究では,実験室レベルにおいて,磁化同軸プラズマガン(MCPG)を用いたプラズマ照射により先進的ダイバータ材料の短パルス高熱負荷および動的反応特性を明らかにしようとしている.本研究で用いるプラズマ照射装置は,兵庫県立大学において既存装置を改造したプロトタイプのプラズマガンとLHD用CT入射装置SPICAの高性能加速電源(120 microF,40 kV)を組み合わせることでプラズマ照射の短パルス化と高熱負荷化が可能となっている.液体およびペブル状のダイバータ材料へのプラズマ照射の初期試験では,照射対象材料の流動性に対応するため,プラズマ照射装置を水平方向に設置したままで湾曲路移送管を用いて鉛直方向から静止した材料にプラズマ照射する.本プラズマ熱負荷用MCPGと同等性能の電源装置を用いたプラズマ入射装置で得られた基礎実験のデータ解析結果から,曲げ半径133 mmの湾曲路移送管では,約140 km/sで湾曲路に侵入し,全行程の約1.1 mを飛行後も10^21 m^-3台の高密度を維持することが分かっている.そこで,本試験装置では,湾曲路移送管において前述装置よりも緩やかな曲げ半径152 mmとした.これにより,プラズマが湾曲路を通過し易く照射パラメータ(プラズマ移送速度等)を広く設定できることが期待できる.また,プラズマ照射時の高速カメラによる材料表面の観測を想定した視野角を確保できる観測窓を選定した.これら新規の各真空部品等を取り付けて,初期実験用のプラズマ熱負荷試験装置の組み立てが完了した.また,運転調整時にプラズマ射出特性を調べるため,照射装置の射出口と湾曲路の間に観測用真空容器を挿入した.その後,装置の試験運転を開始したが,電源制御関係の内部機器および制御ソフトの一部で改修が必要となった.現在,改修作業を進めており,完了次第,初期実験を開始する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
プラズマ照射の初期実験用の装置セッティングが完了し試験運転を開始したが,電源制御関係の内部機器および制御ソフトの一部で改修が必要となり,初期実験開始が遅れている.全体計画としては,昨年度からの研究進捗の遅れと同程度で進行している.現在,初期実験後のデータ解析等を効率的に進めるためのソフト等の準備行い,研究計画全体として遂行できる様に実施予定の時期や内容等を調整した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,基礎実験として,湾曲路移送管を接続したMCPGを用いた短パルスのプラズマ照射試験装置において液体金属へのプラズマ照射試験を早期に実施し,基礎特性のデータ取得および解析を行う.並行して湾曲路使用時のプラズマ照射試験装置の基本的な性能データも取得する.次に,ペブルダイバータ材料へのプラズマ照射基礎試験を行う.材料の基礎特性データ取得後は,材料静止時の背後への除熱効果を検証する.また,高速カメラにより材料の挙動を観測,さらに二波長分光器を付加して材料表面の二次元温度変化を観測することで,動的反応特性を明らかにする.
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