研究課題/領域番号 |
22K03603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
初田 真知子 順天堂大学, 保健医療学部, 教授 (10364887)
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研究分担者 |
伊藤 昇 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 講師 (10580160)
矢田 雅哉 順天堂大学, 医学部, 助教 (60725406)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 超弦理論 / 双対性 / ブレーン / 超対称性 / カレント代数 / 国際共同研究 |
研究開始時の研究の概要 |
超弦理論はすべての力の統一理論の有力な候補とされ、現在5種類の存在が示されている。5種類の超弦理論とM理論はT双対性あるいはS双対性で関係づいている。T双対性とS双対性はU双対性で統一され、U双対性はブレーンを変換する。そこで、5種類の超弦理論とM理論を異なる切り口で記述するような、U双対性に共変なブレーンの理論を構築する。具体的にはU例外群U双対対称性に共変なブレーン上のカレント代数を構築し、カレントの2次でハミルトニアンを求め、時空共変性なラグランジアンを構成する。本アプローチで得られるブレーンは例外群U双対対称性に線形な表現で、量子計算可能な定式化であるため、量子効果についても言及する。
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研究実績の概要 |
U双対性に基づくブレーン理論の構築について、共同研究者Stony Brook大学のWarren Siegel氏、Di Wang氏、Yu-Ping Wang氏、及びWilliam Linch氏、Ondrej Huleck氏とU双対性に基づくブレーン理論に関するレビューに新しい結果を含めた大きな論文をほぼ完成させたところである。すべての超弦理論を含み、STU双対性を明白に持つようにするためには、弦の世界面はブレーン世界体積に拡張される。このようなU双対性の表現であるブレーンのラグランジアンを具体的に与えた。時空をT双対性の対称性O(D,D)の表現に拡張するとT双対性が明白になるように、時空をU双対性の対称性例外群Enの表現に拡張すると同時に世界体積も拡張する。このことで、時空と世界体積を連動させて縮約させると、弦理論のスペクトルが摂動論的に再現できるということである。 また、ヘテロティック弦理論のT双対性を明白にする定式化についても、研究分担者である順天堂大の矢田雅哉氏、北里大の佐々木伸氏、森遥氏との共同研究がJHEPに掲載されることとなった。ヘテロティック弦理論は弦のモードが左右で異なるカイラルなカレント代数を持つ。カイラルなカレントでラグランジアンを構成すると、弦の世界面のローレンツ共変性が失われる。ここに、Siegel氏の提唱するカイラルスカラー作用を回復する方法を、T双対性の明白な理論に応用したdouble zweibeinの方法(初田、Siegel)と同様に、ヘテロティック弦理論にも応用した。その結果、Wittenらが与えた世界面共変な運動項を持つラグランジアンを得た。ヘテロティック弦理論はゲージ場をあらわに含むことで、標準模型への関連が議論できる非常に興味深い理論である。このゲージ場を、拡張した時空のvielbeinとして共変的に記述することで、T双対性を明白に記述することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
U双対性に基づくブレーン理論の構築について、引き続きStony Brookの共同研究者らと ブレーンの量子的側面の研究を行う。Schwingerモデルによるプロパゲーターの導出に基づき、ブレーンのラグランジアンを用いてプロパゲーターを導出する。ビラソロ演算子はenergy-momentumテンソルでもあり、それらのOperetor Product代数を求める。この際、量子論的なアノーマリーを矛盾なく求めることに挑戦する。
ヘテロティック弦理論については、ゲージ場とローレンツ接続場が同等に扱えるような定式化を構築する。アファインリー代数のJacobi恒等式からカレント代数にローレンツ生成子とその非縮退パートナーである生成子の導入が必要となる。それらの生成子に対するvielbeinの成分として、ローレンツ接続場が矛盾なく導入できる。ゲージ場とローレンツ接続場を同等に記述したうえで、Green-Schwarz機構をT双対性共変に表現する。
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