研究課題/領域番号 |
22K03604
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
植田 高寛 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50469871)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ファインマン積分 / 機械学習 / ファインマングラフ / ニューラルネットワーク / 摂動論的場の量子論 |
研究開始時の研究の概要 |
量子場の理論をその基礎とする素粒子現象論では、将来行われる予定の精密実験との比較に向けて、摂動展開の高次項の評価を取り入れた複雑な理論計算が必要とされている。このため、摂動展開に現れるいわゆるファインマン積分に対する、より強力かつ効率的な計算手法が求められている。 本研究では、摂動論的量子場の理論に現れるファインマン積分に対する教師あり機械学習の応用を探求する。得られる知見は、素粒子現象論だけでなく量子場の理論を用いる諸分野へと波及する可能性がある。
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研究実績の概要 |
素粒子物理学の標準模型は大きな成功を収めているものの、理論的に「究極の理論」と言うにはほど遠いのが現状である。また、実験・観測的にも標準模型の枠内で説明できない現象が存在するなど、未解決の問題がある。このような問題を解決するため、さまざまな拡張模型が提唱されており、そのうちのどれが自然を正しく記述しているのか、あるいはすべて間違っているのかは、将来の実験・観測データと理論計算による予言を突き合わせることで明らかとなると期待される。 実験・観測より得られる大量のデータからの信号事象の分類や粒子の識別などに関しては、以前より決定木などの機械学習の技術が使用されている。近年では、深層学習を用いることも盛んである。このような流れは人工知能・機械学習技術の急速な発達とともに、今後もより一層加速・発展していくものだと期待される。一方で、理論計算の面では、特に量子場の理論をもとにした摂動計算において、機械学習の利用は一部を除いてまだまだ限定的であると言える。また、摂動計算の基本構成要素であるファインマン積分は、摂動の高次へ行けば行くほど評価が解析的にも数値的にも困難となるので、より強力で効率的な計算手法が求められている。このような状況により、急速に発展している深層学習を含めた機械学習技術を摂動計算にどのように応用できるか、そして計算の効率化の達成や新たな知見を得ることができるかを、本研究では探求していく予定である。本年度は教師あり機械学習に必要なデータセットの作成に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していたデータセットの生成がすべてはできておらず、それらを用いた学習にも手を付けられないでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きデータセットの生成を行い、それらを用いて教師あり機械学習を試みる。
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