研究課題/領域番号 |
22K03622
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
下村 崇 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (00447278)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | レプトンフレーバーの破れ / 軽い新粒子 / 暗黒物質 / 暗黒セクター / ニュートリノ |
研究開始時の研究の概要 |
2022年から23年前半は今年から始まるFASER実験での探索感度を明らかにすることが急務であることから, これの解析に注力する。ポータル粒子探索を通してレプトンフレーバーの破れ(以下, CLFV)のパラメーターをどこまで決定または制限できるのかを相互作用の型ごとに明らかにする。2023年後半からの1年半は, FASER実験の最初の結果が出ていると期待できるので, そのデータからパラメーターの許容領域を明らかにし, その情報を基にどの様な模型が実験結果と無矛盾に なり得るかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
一般にニュートリノの質量生成に伴ってレプトンフレーバーの破れが現れる。レプトンフレーバーの破れは新粒子の崩壊にも現れるうる事に着目し、軽い新粒子の崩壊に対する検証可能性を調べた。特に現在進行中のFASER実験での検証を想定し、数GeV以下の質量と一般的な4つの相互作用型に対して検証可能領域を明らかにした。またFASER実験での最大感度を評価するためフレーバーの破れは電子型とミュー型とした。解析の結果、FASER実験での検証は難しいが、アップグレード版として計画されているFASER2実験ではより広いパラメーター領域を検証可能である事を明らかにした。この結果により、ニュートリノの質量生成機構を持つ模型を軽い新粒子の崩壊を通してどこまで取捨選択できるかを明らかにした。 またレプトンフレーバーの破れの起源となるニュートリノ質量の生成機構と暗黒物質との関連についても研究を行った。統一理論に動機づけられ たB-L対称性を持つ模型を考え、その模型でステライルニュートリノが暗黒物質になるシナリオを調べた。軽い粒子の崩壊によって生成されるこれまで見落とされていた衝突項とゲージ粒子の縦波項を考慮に入れた解析を行い、模型の許容領域が従来のそれから大きく変更される事を明らかにした。解析は質量スペクトラムは場合分して行い、それぞれの場合で衝突項または縦波項が重要となるかを明らかにした。これによりこの模型での暗黒物質の可能性について検証するべきパラメーターを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
FASER実験での軽い新粒子の崩壊を通したレプトンフレーバーの破れの検証可能性については既に論文にしている。現在はさらに詳細な解析を行いつつ、模型構築を行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はレプトンフレーバーの破れを検証するためのより詳細な解析を行う。またニュートリノ質量生成と暗黒物質の関係についても研究を行っていく。
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