研究課題/領域番号 |
22K03652
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
頓宮 拓 京都大学, 化学研究所, 技術職員 (10397523)
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研究分担者 |
岩下 芳久 京都大学, 複合原子力科学研究所, 特任准教授 (00144387)
不破 康裕 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究職 (00817356)
栗山 靖敏 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (60423125)
郡 英輝 大阪大学, 核物理研究センター, 特任准教授(常勤) (40448022)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 温度特性 / 温度センサー / 加速器 / 超伝導 / 極低温 |
研究開始時の研究の概要 |
大強度化やエネルギー効率向上、加速電界の向上に対応するため、常伝導加速空胴に代わり超伝導加速空胴の採用が広がっている。本研究では超伝導状態の表面温度センサーとX線検出センサーの実装密度や感度領域の拡大、および磁気センサーとの複合等により高度な計測システムを実用化し、実用の超伝導加速空胴だけでなく薄膜構造を導入した次世代超伝導空胴の性能評価や運用時の状態診断に必要となる計測技術を確立する。
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研究実績の概要 |
令和4年度は実施計画のとおり、高い転移温度の超伝導素材の計測を考慮した高温(<20K程度)に感度を持つ温度センサーの探索、およびマッピングシステムの計測回路設計を進めた。本課題の要である極低温環境下で運用できるセンサー温度特性測定システムの開発はセンサー探索モジュールの設計から行なった。センサー探索モジュールの設計、製作と同時に候補となるセンサーの情報収集、購入、年度後期には大阪大学にて製作したモジュールを使用して低温環境でのセンサー温度特性測定の運用テストを行った。 本課題では液体ヘリウムを充填したクライオスタットの極低温環境を利用するため、冷凍機よりも極低温環境運用の利便性は劣るが、大阪大学の既存設備を利用し、安価で実験環境を構築できている。さらに、限られた実験回数でも多種多様のセンサーを調査を可能とするため、センサー探索モジュールは一度に64個のセンサーを測定できるよう設計した。運用テストにて数種類の酸化ルテニウムチップ抵抗の温度特性を測定し、探索モジュールの温度特性計測システムとしての設計思想に大きな問題がないことを確認できた。 極低温環境において液体ヘリウムとヒーターによる熱伝導を利用してセンサー環境の温度調整を行い、センサーの温度特性を計測する。そのため環境温度の安定維持が難しく、運用テストにおいて温度調整に非常に時間を要することが判明した。実験時間の短縮、測定精度の向上などの装置運用、および実験手法の確立などにおいて、急ぎ改善が必要であるが、目的とする20K温度域での温度センサーの探索システムを大枠だが構築することができた。この成果により温度センサーの選定、試作マッピングシステムの製作に計画を進めることができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度で予定していた「センサーの探索、極低温環境下でのセンサーの性能評価、マッピングシステムの計測回路設計」について、極低温環境の温度不安定性など、問題点が確認されている。また、電気代の高騰で液体ヘリウムによる極低温環境の実験費用が上がり、実験回数を減らさざるをえない状況にある。そのため進捗状況は当初計画から少し遅れているが、計画の大枠としては遂行できている。発生している問題の対策は可能であり、令和5年度の計画の変更は要しないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度で制作した温度センサー探索のためのセンサー性能評価装置の問題点である温度調整について改修を行う。必要ならば温度調整に関して再設計となるが、多種の温度センサーの測定、評価について時間短縮、測定精度を上げるためにも必要であり、ひいては実験コスト削減に繋がる。同時に装置運用において測定および評価手法を確立する。その上で多種のセンサー探索を行い、マッピングシステムに採用するセンサーを決定する。 センサー探索と同時にマッピングシステムの回路設計を進め、上記センサーを採用した試作機を製作する。令和5年度後半にはマッピングシステム試作機の運用テストを行う。
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