研究課題/領域番号 |
22K03655
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
|
研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
浜名 崇 国立天文台, 科学研究部, 助教 (70399301)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 観測的宇宙論 |
研究開始時の研究の概要 |
2020年代には多波長において宇宙論研究を主目的とした大規模サーベイプロジェクトが多数実施される。これら研究において重力レンズ効果の解析は観測データから宇宙論情報を取り出すための重要な手段となっている。その中で、数値シミュレーションにより作成した擬似重力レンズデータベースは、実際の重力レンズ効果解析における様々な段階で重要な役割をはたしており、現在の宇宙論研究における基盤的要素のひとつである。現在推進されているサーベイは探査領域や信号検出能力が拡大されており、それにともない擬似重力レンズデータベースも増強更新が必要となっている。これが本研究課題の概要である。
|
研究実績の概要 |
2020年代には重力レンズ効果を用いた宇宙論研究を主目的とした複数の大規模サーベイ計画が国内外において実施あるいは計画されている。それらの研究プロジェクトにおいて、数値シミュレーションにより作成した擬似重力レンズデータベースは、実際の重力レンズ効果の解析における様々な段階で重要な役割をはたしており現在の宇宙論研究における基盤的要素のひとつである。このような背景のもと、次世代大規模宇宙論サーベイから宇宙論情報を十分に引き出すことを可能にする擬似重力レンズデータベースの作成が本研究課題の目的であるである。 この目的達成のため、本研究課題の2022年度の研究計画は基盤となる数値シミュレーション技術の開発であった。具体的には以下の3点を実施した。(1)宇宙論的大規模構造形成の数値シミュレーションコードTreePMの導入とそのパフォーマンスの検証。宇宙論的大規模構造形成の数値シミュレーションコードとして、計算速度の観点から京都大学のグループが開発しているTreePMを採用することとした。その導入と計算性能のテストを行い、計画している重力レンズシミュレーションに必要な空間分解能を満たしていることを確認した。(2)全天重力レンズ数値シミュレーションプログラムの開発とそのパフォーマンスの検証。従来の全天重力レンズ数値シミュレーションプログラムに改良を加え、本研究計画の要求を満たすプログラムを開発しその性能を検証した。(3)宇宙論的大規模構造形成の数値シミュレーションと全天重力レンズ数値シミュレーションのテスト計算。最終計算より小規模な数値シミュレーションをスーパーコンピューターで実施し、計算結果の検証を行い、また多数のシミュレーションを半自動的に実行するためのスクリプトを開発した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度においては、研究目的の数値シミュレーションを行うために必要な基盤となる数値シミュレーション技術の開発を行った。具体的には以下の3点である。(1)宇宙論的大規模構造形成の数値シミュレーションコードTreePMの導入とそのパフォーマンスの検証、(2)全天重力レンズ数値シミュレーションプログラムの開発とそのパフォーマンスの検証、および(3)宇宙論的大規模構造形成の数値シミュレーションと全天重力レンズ数値シミュレーションのスーパーコンピューターでの実施試験とそのパフォーマンス検証。これにより2023年度以降に本格的に全天重力レンズ数値シミュレーションを行う準備が整った。
|
今後の研究の推進方策 |
2年目の2023年度においては、2022年度に開発した全天重力レンズ数値シミュレーションプログラムを用いて全体の1/5程度のデータセットを作成し計算精度の検証を行う。また部分的公開を行い利用者の要望等を収集して、それらをシミュレーションプログラムに反映させて、2024年度に最終的なデータセットを完成させ公開する。
|