研究課題/領域番号 |
22K03658
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
丸藤 亜寿紗 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 特任助教(研究) (20704399)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 二重電子捕獲 / ヨウ化ストロンチウム結晶 / 暗黒物質 / ニュートリノの性質 / 無機シンチレータ / 暗黒物質探索 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ヨウ化ストロンチウム結晶を用いた検出器開発を目指し、研究室の所在地である仙台と地下施設がある神岡双方で互いの特徴を生かしつつ、基本的性能の評価を行っていく。 研究期間前半は、主に結晶の基本的な性能理解のための測定として、発光量の温度依存性やエネルギー分解能の確認、結晶に含まれる放射性不純物の濃度測定、分析や純化方法の検討を行っていく。研究期間後半は、中性子線源を用いた測定のほか、より実機に近い環境を考慮し将来の検出器デザインを検討するため、液体シンチレータを用いた測定や、神岡で長期安定性(季節変動を見るため)の確認を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、ヨウ化ストロンチウム結晶を用いた検出器のための開発研究を行う。ストロンチウム中には二重電子捕獲を起こす原子核、Sr-84が自然存在比で0.56%含まれている。また、ヨウ化ストロンチウム結晶はヨウ化ナトリウム結晶の2倍以上の発光量を持つとされており、二重電子捕獲/暗黒物質探索実験の新しいアプローチとして期待できる。 現在使用している結晶(直径3.81cm、高さ3.81cmの円柱型)は、高純度化されていない、市販品と同等レベルのものである。また、結晶には強い潮解性があるため、アルミでできたハウジングを使用している。結晶に含まれる放射性不純物は、Ge検出器での測定から、特にウラン系列が多いことが明らかになっている。そこで、結晶の原料を購入し、放射性不純物の種類や量を調べている。また、基本的性能評価を調べるため、結晶を光電子増倍管と組み合わせて、神岡地下で測定し、発光量やエネルギー分解能の確認を行なっている。結晶のGe検出器の測定データを用いて、Kr-84の励起状態への崩壊について等の解析も進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Ge検出器での測定から、結晶には多くのウラン系列の放射性不純物が含まれていることが明らかとなっていたため、結晶の原料を購入し、何がどれくらい含まれているかを確認している。ここから高純度結晶を制作する目処をつけることができる。ハウジングの部材に関しても、不純物量の少ない無酸素銅を使用できることがわかった。 現在の結晶のGe検出器の測定データから、ニュートリノを伴わない二重電子捕獲への制限で、解析を進めており、先行実験より感度を得られそうである。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、純化された材料を用いてきれいな結晶を作ることを目指す。Ge検出器を用いた測定から、結晶には多くのウラン系列の放射性不純物が含まれていることがわかっている。現在、結晶原料にどれくらいの不純物が含まれているかを測定中であり、結果が出たら、まずは再結晶法を用いて結晶素材を純化し、小さな結晶を作成、評価する。不純物量低減が目標に達しない場合、樹脂法による純化も試す。使用しているハウジングも現在のアルミから、無酸素銅等に変更する予定である。 また、2023年度に行えなかった粒子識別が可能かのスタディも進める。10年ほど前に行われた先行研究では、アルファ線とガンマ線の波形データにあまり差がなく、識別は期待できないと結論づけられているが、機械学習等を用い、可能性がないかを探る。
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