研究課題/領域番号 |
22K03667
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
塩見 公志 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (40648036)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 電磁カロリメタ / 測定器 / 素粒子実験 / 粒子識別 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、中性K中間子の稀崩壊であるKL→π0νν崩壊の測定をKOTO step2実験で行い、物質優勢宇宙の謎の解明を目指す。 本研究では、ガンマ線と中性子が分離可能な電磁カロリメーターをstep2実験のために開発する。低コストで製作するために、鉛とプラスチックシンチレーターのサンプリングカロリメーターで実現することを目指す。断面積が25cm×25cm、厚みが15~20放射長の小型試作機を作成し、要求性能を満たすことをビームテストで実証する。
|
研究実績の概要 |
高性能のサンプリング電磁カロリメーターの開発に向けて、クラレ社が新たに開発した波長変換ファイバーY6の性能評価を行った。Y6はこれまでによく使われていたY11よりも発光波長の減衰時間が早いため、電磁カロリメーターの時間分解能を向上できる可能性がある。小型のプラスチックシンチレーター(EJ200,サイズ:200mm×200mm×5mm)に10mm間隔で溝をほり、波長変換ファイバーを埋め込む。波長変換ファイバーの両側をそれぞれに束ねて、光電子増倍管に繋げる。これをY6、Y11に対し製作し、評価用の試作機とした。試作機を東北大学先端量子ビーム科学研究センターの電子ビームに照射して、Y6とY11の違いについての評価を行った。まずオシロスコープで波形を取得することで、減衰時間の評価を行った。Y11が6.4nsに対して、Y6は1.3nsであり、Y6の早い応答を確かめることが出来た。また、電子ビームの貫通事象に対する平均獲得光電子数を評価したところ、Y11の22光電子に対して、Y6は15光電子と得られる光量は70%程度になってしまうことがわかった。 また、シャシュリック型のサンプリングカロリメーターの試作器の製作のために1cm間隔に穴が彫られたプラスチックシンチレーターと鉛板を購入して、試作機の製作方法の考案を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度はY6の性能評価を単体試験で行うことに注力したので、シャシュリック型のサンプリングカロリメーターの試作機の製作をすることが出来なかった。その反面、新しく開発されたY6の性能を十分に理解することが出来たので、全体として順調に進展していると評価できる。
|
今後の研究の推進方策 |
まずは放射長が1X0程度の非常に小型なシャシュリック型のサンプリングカロリメーターの試作機を製作して、宇宙線での光量テストを行う。それと同時にY6の光量で十分なエネルギー分解能が得られるかの見積もりをシミュレーションを用いて行う。その後、放射長が10X0程度の試作機を製作し、電子ビームに照射して性能評価を行う。
|